「いじめに関する保護者アンケート」の取り違えはなぜ起きたのか
――なぜ「いじめに関する保護者アンケート」の取り違えがおきたのでしょうか。
「最終的には私が判子を押したので私の責任です。調査は膨大な量の資料を基にしていて、実は私も当該アンケートを見ている。記名はなかったですが、子どもの名前があるものが出てきたので(準奈さんのものだと)分かりました。間違いのもとは、アンケートの実施日が書いていなかったことだと思います」
――担任がアンケートを整理している中での取り違えでしょうか。
「担任はアンケートを揃えて提出しているので、その後に私たちが整理する中で取り違えが起きている。コピーする中で同じものが紛れてしまったりしたのではないか」
――取り違えにはいつ気づいたのですか。
「最近です」
――準奈さんが亡くなった後、どのような調査を行ったのでしょうか。
「(生徒たちには)心のためのアンケート、ケアのアンケートをしている。準奈さん(の事件)に対して自分を責めてしまっていないか、準奈さんに伝えなければならないことはないかを聞きました。(生徒に)書かせるのは酷な状況だったので、教育相談なり、臨時の相談なりで聞き取りながら調査をした。報告を受けただけで、全員分は目を通していないです。(生徒からは)『もっと苦しさに気づいてあげればよかった』などで、加害者に関するものはなかったと記憶しています」
もう少し深く見ていればよかった
――準奈さんがLINEなどでイジメを受けていた可能性はありますか。
「LINEにしても、準奈さんのLINEグループについては周りの子どもたちの聞き取りをベースにしながら、グループに誰がいて、どういった内容が交わされていたかというところまでを調査しました。それ以外のところで個人でやられていたら分からない」
――先生たちの調査ではLINEでのイジメはなかったということでしょうか。
「幾つかのグループの内容は見せてもらったけども、その中に悪口が交わされているものは見つけられなかった」
――調査は何人かで行ったのでしょうか。
「基本的には文部省のガイドラインに沿って、まずは『基本調査(背景に関する調査)』があって、そのあとに第三者委員会による『詳細調査』があります。基本調査は学校がやることになっています。教育委員会から応援がきたり、中立の立場の人間が応援に来て、作業をした。担任たちはクラスがあるので加わっていません。(報告書は)公印をしている文書なので、私の責任です」
――保護者説明会に出席する予定はありましたか。
「(私は)行きますと言ったが、教育委員会や学校が必要ないと判断したんだと思います」
――改めて今、思うことはありますか。
「当時は背景が全く分からなかったので、広く調査するしかなかった。もう少し深く見ていればよかったなと思います。担任にも聞き取りはしましたが、『本当にそうだったのか』と、繰り返し聞くことは必要だったと思います」