「全てその通りです」と起訴事実を全て認めた星島に対する被告人質問は、初公判のその日から始まった。
星島は事件当日、Aさん方に性的暴行目的で玄関から侵入。Aさんを殴って両手首を縛り、部屋にあったズボンを顔に巻いて目隠ししたうえ、首に包丁を突きつけて自分の部屋に連れ込んだのち、包丁で首を刺して殺害した。その後、自室でのこぎりや包丁を使いAさんの遺体を細かく切断し、水洗トイレから下水道管に流したり、ごみ箱に捨てたりなどして遺棄した。
素性も知らない“916号室の住人”を欲望のはけ口に
事件を起こした年の2月に星島は、現場となったマンション最上階の角部屋、918号室に入居。のちに916号室に住み始めたのがAさんとその姉だった。だが星島は“916号室は女性の一人暮らし”だと思い込んでいた。
星島「3月中旬に、(Aさんの)お姉さんとすれ違いました。普通のOLが住んでると思いました。最上階は家賃が高く、学生とかは他の階を選ぶ。狭い思いをして2人で住むことはない、1人で住んでると思っていました」
検察官「916号室に女性が住んでいるということ以外、知っていたことは?」
星島「ありません」
検察官「名前や年齢、住所や職業も?」
星島「はい」
つまり星島は、916号室にはAさんの姉が1人で暮らしていると思っていたのだ。接点はなく、素性も知らない。なのに彼はその“916号室の住人”を、欲望のはけ口にすることを決めた。事件の1週間ほど前に自室でAVを観ながら自慰行為に耽り、思いついたのだという。
セックスをして調教しようと思っていた
検察官「この事件前に、その女性をどうしたいと?」
星島「自分の部屋に連れ去って、性的快楽を与え、自分の言いなりにしようと思っていました。自分なら、できると思っていました」
検察官「あなたの何にしようと思っていたんですか?」
星島「性奴隷です」
聞き慣れない“性奴隷”という言葉が出たためか、検察官は改めて尋ねた。
検察官「もう一度、説明してください」
星島「……私のセックスで、私に依存していただいて、私のことが必要な女性にすることだと思います」
検察官「セックスをして調教しようと?」
星島「思っていました」
検察官「どうやって?」