星島「自分の部屋へ連れて行き、長い時間をかけて性的快楽を与えようと思っていました。女の部屋に押し入って、自分の部屋に、連れてくる……できると思っていました」
本気で成功させるつもりでいた
検察官「性奴隷にすることができたらどうなると思っていたんですか?」
星島「恋人のようになれると思っていました。それ以上、深く考えてなかった」
彼は性奴隷のターゲットに対して顔や性格のこだわりはなかった。
「一番近くで一人暮らしをしている。連れ込むのは難しくないだろうと思いました」
逮捕前に報道陣の取材に答えていた時と同じような黒いタートルネックに、黒いズボン。メガネをかけ、淡々と答える。Aさんの関係者らが座る傍聴席前列のほうから、すすり泣く声が聞こえていた。
性奴隷にしたい、相手が誰であっても自分のセックスで依存させることができる……突拍子もない考えだが、決行の日を金曜日にしたことは、彼なりに熟考した結果のようだ。
星島「普通のOLは金曜の夜から土日休みだから、そうすれば3日かけて調教できる。会社にも行かなくていい」
検察官「3日間、何するつもりだった?」
星島「セックスです」
検察官「つまりそれは強姦?」
星島「調教……」
検察官「強姦しても女性は快感を感じると思っていたんですか?」
星島「そのように思っていたフシはありました」
検察官「AVやそういったものの影響?」
星島「と思います」
検察官「性奴隷にすることに失敗するとは?」
星島「考えていませんでした」
そのような計画がうまくいくはずはない、と多くが思うだろう。しかし星島は当時、本気で成功させるつもりでいた。だから事件が起きたのだ。
玄関ドアの開く音を聞き、916号室に押し入った
法廷では、星島が描いたという同人誌やイラストも大型モニターに映し出された。同人誌のタイトルは『外道』。いわゆる巨乳ロリ顔の女性が性的暴行を受けながら、徐々にそれに快感を覚えていくという筋書きのものである。星島は「強姦という趣旨ではない」と否定していた。あくまでも“調教”のつもりだったのか。
女性は手段や経緯がどうであれ、セックスで快感を得れば相手に依存していくものだ……そんな歪みきった思い込みは星島の中で肥大していた。916号室の女性を連れ去る方法を思案した末、「帰宅してドアを閉める瞬間を狙うのが一番確実」だという結論に至り、実際にそのようにして、Aさんを自分の部屋に連れ込んだ。