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星島「人の気持ちを考えてなかったからです。現実の女を好きになろうとしたことは一度もないと思います。毛嫌いというか、諦めに近い。自己嫌悪の裏返しかも……」

星島の死刑を希望するかの言動

検察官「あなたの好きなのは自分の意思を持たず、あなたのことを好きで、尽くしたいというだけの女性?」

星島「そうです」

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検察官「現実にはいると思いましたか?」

星島「いないと思いました。いないので、作ろうと思いました」

 自分の欲求を全て受け入れる性奴隷を作ろうと思い、うまくいかなくなれば殺害し、その痕跡すら消そうとした星島は、逮捕当日は関与を否定したが、翌日朝に全てを認めた。被告人質問の最中、唐突に「絶対に死刑だと思います!」と叫び、終盤には「早く処刑していただければと願ってやみません」と述べ、死刑を希望するかのような言動が見られた。実際に検察官も「あまりにもむごい被告の所業が万死に値するのは誰の目にも明らか」と死刑を求刑したが、判決は「殺害行為自体は執拗とはいえない」などとして無期懲役となった。

「女の子の希望や夢を壊さないで」

 共に暮らし、当日も直前までメールを送り合っていたAさんの姉は尋問の最後に、こう語っている。

「今、人を殺そうとか、犯してやろうとか、犯罪しようと考える人、どうか思いをとどめてください。たくさんの人がみんな傷つく。本当に生きていくのが怖くなる。たった1人の行動で、どれくらいの人が傷つくと思いますか。

 せっかく命があるから、自分の欲望のため、人をどうにかしようと思うんじゃなく、周りの人を幸せにするように動いて欲しい。そうしたら、何か変わると思います。幸せになりたいと思っている女の子の希望や夢を壊さないでください。お願いします!」

 星島に対しては検察官が控訴したが、これは棄却された。2009年に無期懲役が確定している。

 現場となったマンションはいまも東京・江東区にある。近隣の不動産業者によれば、事件の後、918号室は「入居中」とし、例の物件は家賃を7000円下げていただけでなく、周辺の物件相場も1万円ほど下がっていたという。