それらネットにあふれるコメントを総合すれば、「気の強い韓国人女性と違って、日本人女性はおとなしく従順」というイメージが浮かび上がってくる。結局、都合のいい性の対象として見ているだけで、自らの欲望を満たす妄想から作り上げた「日本人女性像」にすぎない。偏った妄想が、現実の世界で犯罪となって現れているのだ。
第2、第3の事件はすぐそこに…?
仮に日本人女性が、自身の写真が「イルベ」に掲載されて、男性の欲望に消費されていることを知ったとしても、現状では残念ながら迅速に解決する方法はない。
そもそも、韓国のコミュニティで発生した、日本の女性についての犯罪。国をまたいでいることもあり、韓国警察が認知して捜査に乗り出すまで時間がかかる。被害者側からは別の国の法律での裁判にもなり、事件の完全な解決を望めるかどうかは不透明だ。
「イルベ」コミュニティでは、今日この瞬間も日本人女性を「すし女」と侮蔑するコメントが多数掲載されている。カメラを利用した性犯罪が堂々と行われ共有されているが、韓国政府はもちろん、日本政府も有効な対策を打ち出せないどころか対策を施す意志すら見せていない。
両国政府の緩慢さと被害者の身元不明という「幸運」から、執行猶予付きの判決が下されて自由の身になった被告。男と会って酒を飲み、ホテルに連れ込まれた被害者は、自身の写真が誰かのスマホに保存されているかもしれない事実に気づかないまま一生を送ることになる可能性もある。
コロナ禍が収束して日韓往来が自由になれば、「イルベ」ユーザーらの中には、インターネットで妄想を膨らませた憧れの「すし女」に会うために日本を訪問するものもいるかもしれない。第2、第3の事件が起こる可能性を否定できないのが現状なのだ。