8月、韓国では2人のK-POPスターのスキャンダルが大きな波紋を呼んでいる。性犯罪など数多くの凶悪犯罪で懲役3年を言い渡されたBIGBANGの元メンバーのV.Iと、性的暴行や麻薬投与、所属会社との法廷攻防に至るまで数々の事件で騒動を起こし続けている東方神起の元メンバーのユチョンに対して、社会的非難が殺到しているのだ。
きっかけとなった「バーニングサン事件」
8月12日、韓国軍事裁判所は売春あっせんなどの疑いでV.Iに懲役3年と追徴金11億5000万ウォン(約1億1500万円)を言い渡した。2019年の「バーニングサン事件」をきっかけに続々と明らかになった犯罪容疑が、すべて有罪になったのである。
2018年11月、ソウル江南区の高級クラブ「バーニングサン」で発生した集団暴行をきっかけに明るみになったバーニングサン事件。「バーニングサン」の代表取締役だったV.Iは騒動の中心人物となった。
当初注目を集めたのは、富裕層が主な顧客である豪華クラブで、売春や性的暴行、麻薬流通などの不法行為が盛んに行われており、さらには管轄地域の警察がクラブ側と癒着して、その不法行為を庇護してきたという疑惑だった。
しかし、V.Iに対する警察の捜査が始まると、メディアの関心は富裕層の犯罪や警察の不適切な行動よりも、V.I個人の犯罪へ移っていく。
睡眠薬を飲ませて女性を暴行、撮影した動画をグループで共有
2019年3月には、別の事件も発覚。V.Iと親交の深いソロ歌手のチョン・ジュニョンが、V.IやFTアイルランドのチェ・ジョンフンらとグループトークで交わしたSNSメッセージが暴露されたのである。
当時の報道によると、チョン・ジュニョンは複数の女性に睡眠剤を飲ませた後、性的暴行を行った動画や性行為の盗撮動画を仲間とのグループトークルームにアップして共有したという。
これによって、チョン・ジュンヨンは集団性暴行などの疑いで懲役5年、集団性暴行に加担したチェ・ジョンフンは懲役2年6ヵ月の実刑判決が確定。グループトークのメンバーだったHIGHLIGHTのヨン・ジュンヒョンやCNBLUEのイ・ジョンヒョンは、チームを脱退して芸能活動を中止するなど、K-POPシーンに大きな衝撃を与えた。
V.Iは集団性暴行や盗撮事件にはかかわってなかったものの、これを皮切りにバーニングサンの関係者らと交わしたグループトークの内容が続々と明るみに。ついには日本人実業家に性的接待を提供しようとした状況が盛り込まれた2015年末のSNSのメッセージが公開され、警察と検察の取り調べの結果、V.Iには売春あっせんなど9件の容疑がかかった。