茨城県在住の11人大家族・石田さんチに密着した『7男2女11人の大家族石田さんチ!』(日本テレビ系)は、今年放送から25年を迎えた。殴り合いの兄弟げんかや、反抗期の息子と母の壮絶なバトル、そしてお母さんとお父さんの夫婦漫才のようなやりとりなど、リアルすぎる家族の日常に心を掴まれた人も多いだろう。 

 外資系化粧品会社の凄腕営業マンだった父・晃さん(68)は定年退職し、現在は美容業界の未来のために奔走中。そんな石田さんチの名物キャラクターである晃さんに、現在の石田さんチの様子や妻・千惠子さんとの関係、9人の出産など大家族のリアルを聞いた。(全2回の1回目/後編を読む

石田晃さん(68)

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女房には女房の記憶があるんだな

――前回は千惠子さんに取材をしましたが、あの記事はご覧になりましたか。

 友達から記事が出てるよって連絡があって、すぐに見ました。子どもたちもみんな読んでたみたい。9人中2人が反応を示して。「間違ってはいないけど、なあ……」っていうやつと「いいんじゃない」っていうやつがいたね。

――晃さんはどう思いましたか。

 まあ、同じ子育てを経験していても、人によって感じ方が違うんだなって思ったね。女房には女房の記憶があるんだなって。でも面白いよね。向こうはこんな風に感じていたんだって比べることができたから。

円満別居がいい距離感に

――今日は晃さんから見たこれまでを聞いていきます。現在は円満別居しているとのことですが、心境はいかがですか。

 まあ、いい距離感だと思うよ。正月とか、家族で集まるときくらいかな、顔を見るのは。だけど、よく一緒に暮らしている次女から女房の様子を聞くからね。

石田千惠子さん

 触らぬ神に祟りなしって感じです。でも、家族としての愛はあるから、それが繋ぎ止めているんだろうね。顔見たらいろいろ言いたくなっちゃうけど、別に心から嫌いなわけでもないし。

 でも何十年も連れ添ったら、こんなもんだろって思いますよ。なんとな~く心のどこかでは気にしているけど、声に出したり、わざわざ会いに行ったりしない。たまに、元気そうな姿を見れればそれでいい。それにずっと円満別居かもわからないしね。向こうの介護問題が落ち着いたら、戻ってくることもあるだろうし。

 

――今は、次女の芽衣子さんと暮らしているんですね。

 そう。あと猫ね。ご飯は俺がたまに作ってあげていますよ。この前も俺の誕生日にスープのレシピ本買ってくれて、「これを参考にして美味しいスープをたくさん作ってね」と。俺が作るたびに「このスープは何ページのスープ?」、「今日のは美味しいけど何ページの?」って(笑)。完全に尻に敷かれています。