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【秋田・能代イジメ16歳自殺未遂事件】イジメの存在を認定した調査報告書を入手 母親が詰め寄ると調査委員は「もう少し掘り下げればよかったんですがね」と…

genre : 社会, 教育

 2021年2月2日、秋田県内の能代科学技術高校(事件当時は能代西高校。2021年4月に能代工業高校と統合)に通う当時高校1年生だった佐藤洋二郎くん(仮名)は、自宅のカーテンレールに縄跳びをかけ、首を吊って自殺未遂を図った。部屋からは直筆の遺書が見つかり、そこには同じ学校の女子生徒3人から半年にわたって執拗なイジメを受け、追い詰められた末の行動だったことが綴られていた。

 自殺未遂の直後から佐藤くんの両親は「同級生から受けたイジメが原因である」と主張していたものの、学校はイジメの存在を認定しなかった。しかし2021年4月に佐藤くんの両親が能代警察署に提出した被害届が受理されたことで状況は一変。

学校で倒れて手当を受ける佐藤くん

 秋田県知事が佐藤くんの事件をいじめ対策推進法28条の「重大事態」に認定し、第三者委員会によってあらためて調査が開始された。

 その調査結果が注目されていたが、文春オンラインの取材によって第三者委員会が「イジメがあった」という結論を出し、2022年4月23日に佐藤くんや両親に報告していたことが判明した。

 佐藤くん自身も、両親や代理人弁護士とともに秋田県庁内で行われた報告の場に立ち会い、制服姿で報告書が読み上げられるのを落ち着いて聞いていたという。説明の中にはイジメの発端となった学年集会について担任が「記憶にない」と答えたという内容があり、「このままの報告書では事実とは違う。しっかりとアンケートや聞き取りをしたのですか?」と母親が問いただすと、第三者委員会の委員は「もう少し掘り下げればよかったんですがね」と答えたという。

「謝罪を受けたことも一度もありません」

佐藤くんと家族に渡された全32ページの報告書
報告書の目次

 自殺未遂から1年以上が経過してようやくイジメの存在が認定された形だが、佐藤くんの母親は「あまりに遅すぎる」と怒りを隠さない。

「ようやくイジメは認定されましたが、洋二郎は今も精神的に不安定で、複雑性外傷後ストレス障害(PTSD)によるフラッシュバックを繰り返している状態です。月に1度は通院し、明け方まで私が様子を見守る日々が続いています。加害者の1人は転校しましたが他の加害者生徒はわずか数日の停学処分を受けただけで何事もなかったように学校へ通っています。謝罪を受けたことも一度もありません」

 第三者委員会が佐藤くんたちに伝えた最終報告書の中身は以下の通り。

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