文春オンライン
「正統派アナウンサーではない負い目みたいなものがずっとありました」内田恭子(45)が向き合い続けた“コンプレックス”

「正統派アナウンサーではない負い目みたいなものがずっとありました」内田恭子(45)が向き合い続けた“コンプレックス”

内田恭子さんインタビュー#2

2022/05/07
note

「ウッチーさん、何かアドバイスありますか?」に…

 

――フジテレビのアナウンサーの皆さんは和気あいあいとしている印象があります。

内田 本当に愛のある方ばかりでしたね。アナウンサーは一人ひとりが個人事業主のような感じで、それぞれ違う番組に行って仕事をしてくるスタイル。だから部室は、お互いの現場で感じたことや不安を話し合って、「よし、また次頑張ろう!」と英気を養うホームみたいな場所でした。世間の方が想像する「女子アナ同士、チクチクやりあってる」みたいなのとはかけ離れていましたね。

――上下関係もないのでしょうか。

ADVERTISEMENT

内田 いえ、上下はありましたよ。でも「時間いいですか?」と言って断る先輩は一人もいなかったです。

――内田さんも「ちょっといいですか?」と後輩に相談を持ちかけられたり?

内田 私は相談役として適してなかったみたいで、あまりなかったですね(笑)。

 平井理央ちゃんにいまだに言われるのは、私が木佐さんに聞いたように(前編より)、彼女が『すぽると!』に就くとき「ウッチーさん、何かアドバイスありますか?」と聞いてくれたらしいんです。私からは「勢いだよ、勢い!」だけだったようで……。まったく覚えてなかったんですが、そりゃあ相談されないな、と納得しました(笑)。

 

――内田さんの「ウッチー」以降、「~パン」のようにアナウンサーをあだ名で呼ぶのが浸透したイメージがあります。こういった呼ばれ方について思うところはあったのでしょうか。

内田 私はあまり深く考えたことはないです。思考が単純というか、「それってどういう意味かな」と言葉や物事の裏を考えたりせず、ただただ目の前に来るものを打ち返し続けてきたような感じで。

 アナウンサーというと華やかなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、ともするとちょっと過剰な「夢」を抱かれすぎているような気もします。実際のところ、言われた仕事をやるのに精一杯な普通の会社員なんですよ。