本人に話を聞くと…
昨年の衆院選前、村上氏はこう吹聴していたという。
「このビジネスでお金を稼いでいきたい。月に20件、30件。永田町では皆やっているから」
しかし、同じ“コロナ貸付金”を巡って、先日、有罪判決を受けた元公明党議員がいる。無登録で繰り返し公庫の融資を仲介し、貸金業法違反の罪に問われた遠山清彦氏だ。
村上氏はどうか。東京都に本社を置くTMone社は都か関東財務局に貸金業の登録をする必要があるが、「都にも財務局にも登録はない」(都担当者)。
元東京地検特捜部検事の若狭勝弁護士が言う。
「無登録で様々な人を相手に商売のように繰り返し仲介業を営んでいれば、貸金業法違反の恐れがある。その場合、10年以下の懲役もしくは罰金3000万円以下の罰則です。政府系金融機関は与党議員に弱い。その公設秘書なら、公庫に一定の影響力はあるでしょう」
果たして、当の村上氏はどう答えるのか。4月4日、本人に対面で話を聞いた。
――新型コロナ特別融資の仲介業を無登録で営んだ?
「直接やったことはないです。僕はいい人ですから、名前を使われたということがあるかもしれない」
――貸金業の登録はない?
「ええ、ないですね」
――仲介手数料5%は?
「全く記憶にないですね」
――押尾氏が取締役だ。
「友達ですから。音楽やりたいって言ってたけど」
だが、取材翌日の4月5日、村上氏は公設第一秘書を辞職。そこで8日、電話で改めて見解を尋ねた。
「私はもう一般人ですから」
――なぜ辞職した?
「事実無根の話で高木先生に迷惑をかけるから」
――請求書もある。
「もういいです。色々な事を言っている人がいるのでしょう。でもボーナスも年収1000万も全部捨てた。切腹した。もう十分でしょ」
――銀座で羽振りがいい。
「豪遊して、とか幾ら書いて頂いてもいいですが、私はもう一般人ですから」
高木議員の回答。
「会社を経営していることは承知していましたが、その内容について報告を受けていたわけでもなく関知しておりません」
HPで、政治への信頼を取り戻すことを掲げる高木氏。公設第一秘書が“違法な口利き”で商売していたことを「知らなかった」では、信頼は取り戻せない。