文春オンライン

2022/04/28

genre : ニュース, 国際

 韓国では戦況は伝えられてもウクライナの人々のひとりひとりの話は埋もれてしまっています。この『戦争日記』にはそんなウクライナの人々が今も家族と離れ離れになっている、そんな現実の姿が描かれています」

犬のゲージは難民支援センターで手に入れた(同前) ©Storyseller

『戦争は女の顔をしていない』の編集者が担当

 同社は、村上春樹の著書も手がける、韓国の大手出版社「文学トンネ」の中に作られたインプリント(社内ベンチャー)の“ひとり出版社”。2月に立ち上げたばかりだ。イ代表は、韓国で知られた敏腕編集者で、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』の編集も手がけている。イ代表が言う。

「できたばかりの出版社からの申し出にもかかわらず、グレベニクさんが快く引き受けてくださったのは、私が過去に同様のメッセージを持つアレクシエーヴィチさんの本を手がけていたことで、信頼していただけたからだと思います」

 ベラルーシの作家、アレクシエーヴィチは2015年にノーベル文学賞を受賞している。アレクシエーヴィチも、ウクライナ出身だ。

 グレベニクさんはこどもたちだけでなく、自身の腕にも名前と生年月日、そして連絡先を記したという。もし、死んでしまっても身元が分かるように。

 本のメッセージはひとつ。戦争を止めろ、だ。

『戦争日記 ウクライナの涙』書影

 

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