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デモテープを聞いて「どうしよう売れちゃう、急がなきゃ」

――オーディションでは5人が合格し、8人で活動がスタートしました。メンバーが決まったとき、これはいけると思いましたか。

ぴろりん いや、いけるとはコンセプトの段階からすでに思っていました。そこからメンバーも決まって、どこまでいけるだろうと思っていたときに、Clubhouseで出会った作曲家が曲を作ってくれた。そのデモテープを聞いたときに「どうしよう売れちゃう、急がなきゃ」と思いました。それまでは結成できた、良かった、という感じだったんですけど、売れちゃうから次は何をしなきゃいけないかなと考えるようになりました。

©文藝春秋 撮影/末永裕樹

Kyoko 素人なので、最初はゴールがなくて、やりながら探っていたんです。だからオーディションの段階では、コロナ禍が明けたら有料老人ホームを北海道から沖縄まで回ろうと思っていたんですけど……。

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Miyuki 曲ができてターゲット層が変わったんだよね。私たちと同じぐらいの年齢の女性みんなに突き刺さる歌詞だったから鳥肌がたった。下手すると若い子にもこのおばさんたち面白いと思ってもらえるかもと思いました。

もものり レコーディング中に紅白見えましたもんね。

©文藝春秋 撮影/末永裕樹

上り坂、下り坂、そして「まさか」――人生の3つの坂

――もものりさんは念願のアイドル活動ですね。

もものり そうですね(笑)。でも皆さんとはまったく面識がなかったので、合格したのは嬉しかった反面、人を見なきゃなと思っていました。まず静観してグループに溶け込んで、どう接するのが良いか考えて、そこから皆さんと仲良くなれればと。

Miyuki もものりさんは一番のしっかり者なんですよ。私はもものりさんの真逆でして、自分を出してはしゃぎすぎちゃって、今の話を聞きながらそうすればよかったと(笑)。この年までずっと“出る杭”やってるんで、引っ込み方がわかんないんです。おみつさんもすごく大人な女性なので、私の飼育係です(笑)。

――Miyukiさんは合格を知ったときどう思いましたか。

Miyuki ポカーンという感じですよね。失礼ですけど「おばさん8人で何やるんだろう」と。私はちびっこのど自慢に出たりしたこともありましたが、アイドルというキャラクターじゃないなと思って生きてきたので、この歳でアイドルになるとはって感じです。Clubhouseもそれまでずっと聞き専だったし、何が何だかわかんなかった。

おみつ 人生の3つの坂やね。上り坂、下り坂、そして「まさか」。

本人提供

 

Miyuki でもずっと歌や踊りはやってきていたから、いざ活動するとなったらこうしたいという自分の思いが出てきた。ポールダンスって踊りや衣装まですべて自己プロデュースなので、脳内に劇場がたくさんあるんです。この曲ならこういう雰囲気でこういうフォーメーションで、とイメージが膨らみすぎちゃった。そういうステージへの強い思い入れを最初に出しすぎちゃったな、と反省しています。