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「薬物ジャンキーが信奉していた」“歌舞伎町精神科医”のヤバすぎる薬事情を元交際相手A子さんが告発「危険なダイエット薬や向精神薬をバンバン処方していた」《行政も注視》

「薬物ジャンキーが信奉していた」“歌舞伎町精神科医”のヤバすぎる薬事情を元交際相手A子さんが告発「危険なダイエット薬や向精神薬をバンバン処方していた」《行政も注視》

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 しかし法律違反云々以前に、そもそも糖尿病患者以外がオゼンピックなどを服用し、健康に害は出ないのだろうか。

患者が体調不良「自己責任で薬を出してます」

「副作用でのトラブルは頻繁にありましたよ。摂食障害を患う20歳前後の女性に対して、伊沢先生が向精神薬やオゼンピックなどを次々に出していました。その方は自分からあまり話さないタイプだったのですが、でっきりご自身が希望しているのかなと思っていました。

 でもある時、その方の母親から電話があったんです。その女性患者が、東京クリニックに通いだしてから体調が急激に悪化したそうで、『検査をして薬出しているんですか!』とすごく怒っていました。利尿剤でダイエットしていた別の20代の女性が倒れたときも、同様に母親から『検査して利尿剤出してますか!?』と電話がありました。

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 でもそんな時に伊沢先生は『20歳を超えたら自己責任で薬を出していますから』とまったく動じていなくて。『お母さん、娘さんによく注意してくださいよ』と悪びれることなく言い返していました」(A子さん)

伊沢容疑者とA子さん

 前出の米田氏が新宿区保健所に東京クリニックについて情報開示請求したところ、2021年以降、少なくとも15件の苦情が寄せられていたことも判明した。内容は大部分が黒塗りにされているためわからないが、保健所は苦情や情報提供を受けて、厚労省などとやり取りをするなどしている。

薬の処方は「医師の倫理観」にゆだねられている

 薬は患者の体調などによって、深刻な副作用が生じるものも少なくない。A子さんが証言するように、医師とはいえ、これほど自由に処方できるものなのだろうか。

「診療行為や薬の処方は医師の裁量権にゆだねられています。保険診療で認められていない用法・用量であっても、医師の判断によって適用外処方することも可能です。現行法は医師の倫理観を信頼した性善説に基づいているため、行政機関には医師の裁量権にまで踏み込んで指導する権限も無く、法の想定外である悪徳医療機関を厳しく取り締まる機能がほぼないんです」(前出・米田氏)

伊沢容疑者との同棲生活でA子さんの精神状態が悪化。腕にはリストカットの痕が残っている

 しかしながら、薬の処方は院内でできるものには制限があるため、多くの薬は院外処方となる。東京クリニックの患者が通っていた調剤薬局などもこの処方内容は目にしているはずだ。

 薬剤師法第24条にはこんな記載がある。

《薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない》

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