――日本サッカー界だけでなく多くの日本人にも影響を与えたイビチャ・オシム元サッカー日本代表監督が5月1日に亡くなられました。
大久保 本当にビックリしました。訃報の知らせを受けたのは、テレビ東京の生番組『みんなのスポーツ』の本番中だったんです。慣れないMCを務めていたこともあり、緊張しながら番組の進行をしていたんですけど、CMの間に、オシムさんが亡くなったというカンペが出され……。
進行の台本はあったけど、急遽内容が変更。MCとしてオシムさんの訃報にきちんとしたコメントを出さなきゃと思いながらも、亡くなったという知らせに頭が真っ白になってしまい、「残念です…」と口にするのが精一杯でした。
――大久保さんもオシムチルドレンの一人でしたよね。
大久保 一般的に“オシムチルドレン”と言われるのは、オシムさんが03年から日本で指揮を執ったジェフユナイティッド千葉の阿部勇樹さん、巻誠一郎さん、あるいはオシムさんに見出されて代表入りした鈴木啓太さんや中村憲剛さんなどのことを指すんでしょうけど、僕も07年夏に1年10か月ぶりにオシムさんに代表に復帰させてもらったから、チルドレンの一人と思っていただいても間違いないかな。
そして招集2か月後に長居スタジアムで行われたエジプトとの親善試合で、僕は一試合に2ゴールを決めた。そのゴールは国際Aマッチ21試合目の初得点でもあったので、僕にとっても忘れられない試合です。
でもその試合の1か月後にオシムさんは脳梗塞で倒れられた。だから、オシムさんの元で戦ったのは数試合しかないけど、大きな影響を受けたのは確かです。
――例えばどんな影響ですか?