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栗山英樹は大谷をどう見た?

 スタットキャスト担当のアドラー記者が「野球界で最も打てない球」と1年目から称した大谷のスプリットも健在で、スプリットで決着がついた打者の打率は0割8分7厘で77三振を奪った。

 一部で「サイ・ヤング賞はどうか」という声もあったが、他のトップどころの先発投手の約7割くらいしかイニング数を投げていないので、さすがにそれは厳しい。今のままの投球回数だと防御率が1点台とかでなければ無理だろう。

 大谷のメジャーデビュー前、ファイターズの栗山英樹監督にインタビューした時、投手としては粗削りで、持っている能力の半分も出せていないと語っていた。

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栗山英樹監督 ©文藝春秋

「フォームがばらつく時もあるし、同じ動きがずっとできている訳ではない」と栗山は言った。

 ついに持っていた能力を発揮し始めたということかもしれない。

 その栗山は、打者・大谷をより高く買っていた。アメリカでの評価と逆だったので、強く印象に残った。

「バッティングに関してはよく言ってますけど、ああいうピッチャーには出会えても、ああいうバッターには出会えないと僕は思っている。もともと能力は高いんでね、かなり高いレベルのところまでは来ていると思います」

 大谷のファイターズ入団の立役者と称される大渕隆スカウト部長も、「どっちも一流の高い能力に到達する能力があるけど、打撃の方がその天井に行くのが早い、イメージしやすい」と述べていた。二人の予想が的中したのは言うまでもない。

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