焼津や銚子にも並ぶ全国5位の港

 三浦市の中心たる三崎の港町は、昭和の初めにはすでに全国有数のマグロ水揚げ量を誇っていたという。外海の入口という位置が、遠洋漁業の拠点にちょうどよかったのだろうか。

 

 2021年度の主要港の水揚げでは、金額にすると三崎が全国5位。焼津や銚子といった名だたる名港と並んでの5位だから、端っこの駅のさらに先、などといってバカにすることはまかりならぬのだ。

 三崎口駅の周りにはキャベツ畑に大根畑。バスに乗り継ぎ港まで行けば日本人の心の魚・マグロ。つまりは日本人の食卓は、三崎口駅に支えられているといっても言いすぎではないのである。

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 そういう思いを新たにしたことで、やっぱり衝動的に三崎口駅までやってきても悪くはない。何しろ、まったく都会とは違うのどかな雰囲気の町に、都心から電車ひとつでやってくるだけでも、なんだか特別な経験をしているような気分になれるのである。初夏の陽気には、海の近くののどかな町がよく似合う。

写真=鼠入昌史

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