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《東金“かかと落とし”死亡事件》「被害者はとにかく金がなく、飲まず食わずで痩せこけていた」関係者を結び付けた「貧困」と「酒」の縁

《東金“かかと落とし”死亡事件》「被害者はとにかく金がなく、飲まず食わずで痩せこけていた」関係者を結び付けた「貧困」と「酒」の縁

genre : ニュース, 社会

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 千葉県東金市で5月5日未明に起きた、前代未聞の“かかと落とし”傷害致死事件。

 千葉県警は同日、60代の被害女性A子さんの頭に何度もかかと落としをして怪我を負わせたとして、並木正容疑者(52)を傷害容疑で逮捕した。

 事件当日、並木容疑者はA子さんと、並木容疑者の家に頻繁に出入りしていたB子さんと3人で、A子さん宅で酒を飲んでいたという。並木容疑者はA子さんと口論になり凶行に及んだ後、B子さんが交番に駆け込み事件が発覚。A子さんは病院に搬送されたが、その後死亡した。

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事件現場となったA子さんのアパート ©文藝春秋

 度々「騒音トラブル」を起こしていたという3人の関係性は、一体どんなものだったのだろうか?

被害者のA子さんは東金駅の構内や駅前で寝泊まりすることも…

 A子さんの知人が語る。

「A子は千葉の大網白里市出身です。タクシー運転手の男性と結婚して、2年前までは事件現場近くの別のアパートに住んでいました。子供はおらず、20年間ぐらいずっと無職だったと思います。

 ただ、夫がガンで亡くなると、家賃を払えずに家を追い出されてしまいました。その頃から、元々知り合いだったB子宅で居候を始めたようです。B子と喧嘩をして家を追い出されると、よく東金駅の構内や駅前で寝泊まりする姿を見かけました。通行人に通報されて、警察のお世話になったこともありましたね」

A子さんがよく構内で寝ていたというJR東金駅 ©文藝春秋

 夫を亡くした後、A子さんの心の拠り所となったのが酒だった。ある時からA子さんは東金駅近くの公園で開かれている高齢者仲間が集う酒席に毎日顔を見せるようになったという。