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夫婦がAさんに書かせた「誓約書」を発見
「『子供が家を汚す』とクリーニング代を払うように言われたり、結婚式をしていなかった2人の結婚祝いに50万円払えと言われたり、車の写真を見せられ『これ買って』と言われたり……どんなに稼いでも、手元には100円単位しか残らない生活だった」(Aさんの調書)
ゆき乃・優力被告は、起訴状にある2021年5月から11月までの間に、Aさんに対して、少なくとも300回以上売春させていた。売り上げは500万円を超える。
地獄の生活から抜け出せたのは同年11月、知人に現状を話したところ「警察に相談した方がいい」とアドバイスを受けたことがきっかけだ。これを聞いたAさんは、夜に売春を終え、最低限の荷物と子供を連れて逃げ出し、警察に駆け込んだ。
同居生活の場だった板橋のマンション居室からは、Aさんに夫婦が書かせた「誓約書」が発見されている。居候するにあたり、生活費に加え、遊客との売り上げの20パーセントを支払うという内容だった。しかし実際はそれよりも遥かに搾取されていた。
両被告は、Aさんから巻き上げたその金で購入したブランド品や、ヴェルファイアを売却し、手持ちの金もあわせ100万円を準備。Aさんとの示談交渉を行ったが、断られている。