宝くじに当選しても、仕事は辞めない方がいい
――いきなり大金を手にすると人生が悪い方向へ進むなどと言われていますが、れお社長はそうならなかった理由をどう自己分析されていますか。
れお社長 6億円当選後も、仕事を辞めずにやっていたからですかね。自分の欲はあくまで仕事の方に向いていたので。「会社を成功させるぞ」と。そこで成功しないと、お金はあっても、僕としては満足できないというか。
僕の知り合いに、お金だけは持っている地主の息子がいるんですよ、なにもしなくても毎月100万、200万入ってきて。「あまりにも暇だから、なにか面白い仕事ない?」って、たまに相談されるんです。彼は「サプリメントでも売りたいんですけど」なんてやる気もなく言うんですけど、ダメなお金持ちの典型だなと思いますね。
――れお社長自身、早期リタイアを考えたことは?
れお社長 会社を売ったあと、「なにもしないで生きていくのはどんな感じかな」と思って過ごした時期がありました。昼から飲める店に行って常連客のオヤジと喋ったりして。最初の数日は楽しかったんですけど、だんだん精神的にきつくなってきて、半年で耐えられなくなりましたね。で、また新しい事業を立ち上げて、働き始めました。
人って、自分の評価を気にして生きているじゃないですか。だから無為に日々を過ごしていると、他人から評価されようもないし、そうなると自分が無価値だと感じてしまう。あくまで僕の場合は、ですけど。
高額当選体験談を発信するわけ
――ちなみに一昨年に開設されたYouTubeチャンネルは、どういうスタンスでやっていますか。動画のタイトルには、どれもこれも「宝くじで6億円当選」というワードが付いていて、射幸心をあおられますが。
れお社長 動画のタイトルは、SEO(検索エンジン最適化)対策の一環ですね(笑)。「宝くじ」「高額当選」という検索に引っかかりやすそうなワードを使うことで視聴者の裾野を広げようと思って、あえて使っています。
宝くじやスポーツくじだけに興味がある人って、お金の稼ぎ方には無頓着というか、受け身じゃないですか。会社勤めもいいけれど、起業するという選択肢もあるわけで。後者を選ぶ人がいまだに少ないので、会社経営者として「こういう生き方もあるんだよ」という情報を提供できれば、と。
――YouTubeの動画で「人間ひとりに扱えるお金の額には上限がある」と仰っていましたが、ご自身にとっての上限はどのくらいだと見積もっていますか?
れお社長 いくらになってもブレない自信はありますね。6億円当選しても僕自身はまったく変わらなかったので。100億円持っていても大丈夫だと思います。
写真撮影=末永裕樹/文藝春秋