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「ペコポコが生き埋めに」「“苺”より“いちご”の方が果実感のあるジャムが入っている」… 発売38年、累計2000種以上「ランチパック」開発者が明かす“渾身のヒット作”

ランチパック#2

2022/05/22
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ひらがなのほうが漢字よりもおいしそうに見える

──保田さんのお気に入りのネーミングを教えてください。

保田 「チーズ!!!」です。3つの「!!!」で、3種類のチーズ(スライスチーズ・チーズクリーム・チーズソース)を表現した、渾身のヒット作です。チーズ系は安定した人気があり、そのままでもトーストしてもおいしいので、あわよくば定番化を狙っていたのですが、発売から1年後に終売になってしまい、いまでも残念に思っています……。

 また、昨年秋に発売した「おいも」も渾身のネーミング作です。これも「!」をつけたいくらい思い入れがありました。サツマイモ系は過去にもたくさん発売していますが、長めの商品が多かったので、グッと短くまとめ、なおかつ、ひらがなで思いを表しました。

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 店頭でひらがな・短めな名前のランチパックを見かけたら、保田発案率が高いと思ってください(笑)。

──ひらがなにはどのようなこだわりがあるのですか?

保田 これはあくまで私個人の意見ですけど、ひらがなのほうが漢字よりもおいしそうに見えませんか? それに、ひらがなだったら小さなお子様でも読めますよね。とくに「いちご」は何種類か発売されていますが、私が担当した「フルーティランチパックシリーズ」は「いちごジャム」とひらがなで書かれているので、それだけでおいしそうに見えるはずです(笑)。

主力商品には、パッケージに英文を記載

──「いちご」は本当にたくさんの種類がありますね……。何か違いがあるのですか?

保田 「いちごジャム」とひらがなで書かれた商品には、「苺ジャム」と漢字で書かれたものよりも果実感のあるジャムが入っています。

 あとは、先ほど説明した「&」「と」の法則通り、いちごジャム以外にホイップやマーガリンがサンドされている商品や、ご当地のいちごを使用した「福岡県産あまおう苺ジャム&ホイップ」「とちおとめ苺のジャム&レアチーズクリーム」などがあります。

 ──パッケージに英文が書いてあるものと、ないものがありますね。これにもこだわりがあるのですか?

保田 パッケージに英文が書かれているのは、主力商品です。「フルーティランチパックシリーズ」の発売が東京2020オリンピック・パラリンピック開催時期と重なっていたので、外国の方にも商品特徴をご理解いただけるよう英文をつけようということになり、同じタイミングで定番の主力商品にもすべて英文を入れました。

 一部のご当地ランチパックにも、英文表記が書かれた商品があります。

九州限定ながら10年のロングセラー商品となっている「福岡県産あまおう苺ジャム&ホイップ」にも英文が記されている

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