コロナ禍により自宅で料理をする人が増えた昨今。ネットでは数多くのレシピ動画が溢れている。そんななか、異彩を放つのがアメリカ発の動画メディア「テイストメイドジャパン」が配信する「ちびめし」シリーズだ。
オムライスやハンバーグなどの定番レシピからスイーツまで紹介されているが、どれも完成するのは指先ほどのサイズ。さらには使用するキッチンや調理器具もすべてミニチュアサイズというこだわりぶりだ。その完成度はレシピ動画にもかかわらず、思わず見入ってしまうほど。
そんな「ちびめし」シリーズの制作を担当するテイストメイドジャパン株式会社のあさみさんに「ちびめし」を作る際の苦労やこだわり、SNS戦略など話を聞いた。
◆ ◆ ◆
レシピを選ぶ際は、その時の流行を取り入れる
――テイストメイドジャパンは「美味しい食べ物、美しい場所、インスピレーションを刺激し、人々を魅了。 あらゆるデジタルデバイスで視聴可能な、 全く新しい次世代型の動画メディア」と銘打っています。そんな中で「ちびめし」シリーズはいつから始まったのでしょうか。
あさみ もともとアメリカの本社が「タイニーキッチン」という名前でミニチュアサイズのレシピ動画を配信していたのですが、2016年に“テイストメイドジャパン”が設立されたタイミングで「タイニーキッチン」の日本版として「ちびめし」がスタートしました。
――「ちびめし」は洋食や日本食、スイーツまで多岐にわたっていますが、レシピを選ぶ際の基準はあるのでしょうか。
あさみ 基準は特にないですね。企画段階で「この料理、小さくしたら可愛くない?」みたいな、そういう会話から始まります。ただ、流行のものも取り入れたりしています。例えば、Netflixで配信された「イカゲーム」がきっかけで流行った“カルメ焼き”なんかは反響も大きかったですね。
細かい再現をするのは…難しい!
――どんなレシピが人気なのでしょうか。
あさみ 意外とカレーライスのような皆さんがパッと思い浮かぶお料理の方が「可愛い! すごい!」っていう声が多いです。きっと慣れ親しんでいるので、わかりやすいからだと思うんですけど。なので、オムライスやハンバーグなどの定番のお料理を小さくすることが多いです。
――なかでも一番苦労したレシピはなんでしょうか。
あさみ どれも本当に手をプルプルさせながら作っているんですけど、最近だとフィギュアをモデルにして作った「スモアクッキー」が大変でした。フィギュアと本物の比較なので、どうしてもそこはこだわりたくて、チョコの出具合やマシュマロの潰れ具合とか、そういった細かい再現をするのが結構難しかったですね。