2021年のクリスマス商戦、そのキーワードは“レトロブーム”だという噂だ。そんな中、父親世代が遊んだホビー商品の「ミニ四駆」に注目が集まっている。

1/32スケールの車両模型がモーターで自走する、おなじみの「ミニ四駆」。タミヤのヒット商品だ。

 ミニ四駆とは電池とモーターで走行する車両模型で、同一規格のパーツを組み合わせた改造が可能。レースには高い競技性があり、友人同士の競走に留まらず「公認競技会」も開催され賑わった。80年代から何度もブームを起こし、累計1億8500万台以上を売り上げた“国民的ホビー”である。

 今年8月には小学館「コロコロコミック」誌上にて、ミニ四駆を題材にしたマンガ『MINI 4 KING(ミニヨンキング)』の連載が開始。原案を手掛けるのは『シャーマンキング』で知られる武井宏之だ。同作が新たなるブームの起点になるのではと、業界は期待を寄せている。

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 過去数回にわたり、アツいブームを巻き起こしてきたミニ四駆。アラサー以上の世代にとっては“勝手知ったる”品物だが、この頃はコースの側が面白い進化を遂げつつあり、なんでも「マンガのようにド派手なレースができるサーキット」が完成したのだという。

 そのカラクリを勘ぐりつつ、噂のサーキットのある「TOYLO PARK(トイロパーク)powered by リトルプラネット グランツリー武蔵小杉」(川崎市中原区)に赴いた。

光で軌跡が演出されるほか、コース中央にはラップタイムが表示されるなど実用的な仕掛けも。

“光るミニ四駆”を体験

 武蔵小杉といえば、2010年にJR横須賀線・湘南新宿ラインの駅ができてから便利になり、タワーマンションの立ち並ぶハイソな住宅街として知られるようになった。

「都内各地や横浜・川崎へ乗り換えなく行ける」という住宅街としての長所は、そのまま集客の利点にもなる。そういう都合からか、セブン&アイ系のショッピングモール「グランツリー武蔵小杉」は旗艦店のような店構えだ。その玩具売り場に併設される小児向けのアミューズメントが「トイロパーク powered by リトルプラネット」で、件のサーキットはここにある。

グランツリー武蔵小杉(川崎市中原区)にある「トイロパーク ミニ四駆 デジタルサーキット」の実際の様子。

 コロナ禍の一段落を受けてか、賑わう店内には親子連れの姿が目立った。昨年以来の“巣ごもり”期間には親子でプラモデルを作る家庭も多かったと聞くから、ミニ四駆ブーム再燃の土台はすでにあるといえる。