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 当時連載されていた『レッツ&ゴー!!』では、誇張された物理法則や過激なレース内容が描かれるのが常だった。稲妻のようなコーナリングなどは序の口で、服のボタンを投げつけてマシンを操作したり、現実には存在しない超素材が登場したり……。わけてもコミックス第4巻、煮えたぎるマグマの海で主人公の愛機が溶解するシーンは今でもトラウマである。

 とはいえ実際のミニ四駆は子どもに目線を合わせたホビーだから、気合を入れて改造したところで、マンガやアニメのようにはいかない。効果の実感できない改造パーツが多かったほか、シャーシ(骨組み)だけの状態で走らせるのが一番速いという、まさしく“身も蓋もない”現実もあった。

次なる“ミニ四駆ブーム”は来るのか

 最新のデジタル技術によって、アニメのような演出が可能になった今日のミニ四駆。2021年の最新モデルは「レーザーミニ四駆」と銘打った「ロードスピリット」で、武蔵小杉「トイロパーク」で見たような“光の演出”にはうってつけだ。今後はより大きなサーキットにも、株式会社プレースホルダの技術が応用される可能性があるという。

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「現在のところはこのレイアウトにしか対応していませんが、プログラムを組み替えれば、他のサーキットで同様の演出を行うことも可能です。天井にプロジェクタを付けるのが大変ですけど(笑)。だからミニ四駆ブームが再燃すれば、日本各地に“光るサーキット”ができる、なんてことも……」(鈴木氏)

『MINI 4 KING』作中における工藤モー太の愛機「ロードスピリット」もレースに参加。正面の特徴的なパーツが「フロントスタビライザー」だ。

 ただし、「トイロパーク powered by リトルプラネット」はあくまで子どものための施設であり、オトナ世代だけで“光るサーキット”を体験できるのは夕方17時以降とのこと。全体としても未就学児や小学生を含む親子連れが多いという。それでも鈴木氏によれば、“ガチな”レーサーの訪問も多々あるということだ。

 にわかに熱視線を浴びる懐かしホビー・ミニ四駆には、工作の基礎を学ぶ知育効果もある。「昔とった杵柄」とばかり、この冬は親子でミニ四駆に打ち込んでみるのも良いかもしれない。

写真=文藝春秋

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