手軽に食べられる“サンドイッチ”として国民的人気を誇る「ランチパック」。毎月新商品を発売し続け、これまでに累計2000種類以上が発売されている。プロ野球全12球団とコラボした「プロ野球ランチパック」など話題の商品も多い。山崎製パンの保田高宏氏に、開発秘話を聞いた。(全2回の1回目。2回目を読む)

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惣菜系のほうが人気

――ランチパックはいま、どれくらいの種類が発売されているのですか?

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保田 現在は61種類です。エリア限定商品も含んでいます。

――発売当時は、4種類からのスタートでしたよね。

保田 はい。最初に「ランチパック」として発売されたのは、スイーツ系の「ピーナツ」「ヨーグルト」「小倉」「青りんご」の4種類です。その後「カレー」「ポテトサラダ」の惣菜系が追加され、そこから徐々に商品アイテムが増えて、現在のように充実したラインナップになりました。

圧巻のランチパックを前にする山崎製パンの保田高宏さん

――惣菜系とスイーツ系だと、どちらが人気ですか?

保田 惣菜系です。そもそも、一般的にサンドイッチとして売られている商品の9割は惣菜系だと思います。最近はフルーツサンドなど、スイーツ系サンドイッチの人気も高まっていますが、それはあくまで一部です。ランチパックの全国出荷量で見ても、惣菜系のほうが売れています。

食パンを改良し、より様々な具材をサンドできるように

 ランチパックの年間売上個数ランキングでも、1位に「たまご」、3位に「ツナマヨネーズ」が入っていますが、2位には惣菜系を押さえて「ピーナッツ」がランクインしています。ピーナッツは発売当初から売れている不動の人気商品なんですよ。

――発売当初から、ここまで種類を増やす予定だったのですか?

保田 最初はここまで意識していなかったと思います。2006年に食パンを改良し、しっとり感ときめ細やかさが向上し、より様々な具材をサンドできるようになり、種類が増えました。また、CM放映を開始し、さらに2007年にはそれまでバラバラだったパッケージデザインを統一したところ、製造が間に合わないくらい売れ行きが伸びたので、一気に生産ラインを増やし、続々と新商品を生産できる体制を整えていきました。

かつては「ランチパック」の表記も英文字やカタカナなど、さまざまだった(山崎製パンHPより)