そのおかげ……というわけではないと思いますが、なんとオリックス・バファローズが2年連続最下位から、25年ぶりにリーグ優勝を果たしたんです。僭越ながら、少しはチームの士気向上に貢献できたのではないかと自負していたところ、新庄剛志さんが北海道日本ハムファイターズの監督に就任するという速報を耳にしました。さらに、2022年シーズンからは、有観客での試合が再開できるというニュースも流れ、これはもう「今やらずにいつやるんだ」と思って、全12球団とのコラボを決めたという経緯です(笑)。
ペナントレースの順位とは逆の売り上げ
――1球団だけとのコラボと違い、12球団一斉のコラボとなると、ご苦労も多かったのでは。
保田 過去にもオリックス・バファローズのように、個別にコラボをした球団はあったんですが、全12球団そろって、というのは今回が初めてだったので、慣れない苦労はありました。ホームページへの掲載ひとつにしても12球団分の全部の確認が必要になってくるので大変でしたが、先方からご要望をいただいたり、こちらからいくつか味をご提案して選んでいただいたりなどしながら、本社と工場、各球団との3者共同で商品開発を進めました。
――野球ファンにとっても嬉しいコラボですよね。どの商品が売れていますか?
保田 売上がいいのは、阪神タイガースとコラボした「ぼっかけ焼きそば」と、北海道日本ハムファイターズとコラボした「ハムカツとハムマヨネーズ」です。ペナントレースの順位と逆なので、悔しい思いをランチパック購入に捧げる熱いファンがいるのか、販売チームのトップが阪神か日ハムのファンなのか……と噂されているようです。
野球業界活性化にも貢献
――プロ野球の応援をしながら、各地域のご当地メニューが味わえるという贅沢な楽しみ方ができますね。これまで開発に関わった中でもかなり思い出深い商品になったのではないでしょうか。
保田 はい。今回のプロ野球ランチパックは、これまでの地域限定商品と違い、全国にある工場がそれぞれ開発した「ご当地ランチパック」でありながら、全国販売もするというやり方で各工場に横串を通した画期的な事例という意味で、非常にやりがいがありました。
しかも、プロ野球ファンの方々に喜んでいただけて、野球業界活性化にも貢献でき、大変思い出深い商品となりました。