2017年、千葉県在住の小学校3年生、レェ・ティ・ニャット・リンちゃん(当時9歳)が殺害された事件。5月12日、殺人や死体遺棄などの罪に問われていた小学校の元保護者会長・渋谷恭正被告(51)の無期懲役が確定した。
周囲には子煩悩で保護者会会長として地域に貢献するような人物と見せかける一方、人には知られざる性癖を持つ――渋谷被告はどのような半生を辿り、犯行に至ったのか。事件を詳報した「週刊文春」の記事を公開する。(初出:週刊文春 2017年04月27日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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「私、15歳以下しか興味ないんです」
「リンちゃんがいなくなった場所が六実(むつみ)だと聞いて、アイツを思い出したんです。逮捕された時は『やっぱりか』と。自分の性癖について、『私、15歳以下しか興味ないんです。私、15歳以上はダメですよ』と堂々と語っていましたから」
4月14日、松戸市六実に住む渋谷恭正(やすまさ)(46)が、ベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンちゃん(9)の死体遺棄容疑で逮捕された。この日が自らの誕生日だった渋谷には、リンちゃんと同じ小学校に通う3年生の息子と2年生の娘がいた。
冒頭のように語るのは、渋谷が約9年前にアルバイトをしていた中華料理店の元店長だ。
「当時、いわゆる裏DVDを収集していて、よく店に持ってきては自慢していました。12、3歳くらいの子がブルマ姿になってはしゃいでいたり、小さなビキニを食い込ませていたりするものでした。『ブルセラショップで若い子の商品を買ってくる』と言い、都内に行くこともあった」(同前)
我が子と歳がかわらないリンちゃんを無残な姿で棄てた渋谷とは、いったいどのような男なのか。その素性に迫る前に、まずは事件の概要を振り返ろう。
3月24日、小学校3年生最後の修了式に出席するため家を出たリンちゃんはそのまま行方不明となった。その2日後、遺体となって発見されたのは自宅から約12キロ離れた水田地帯の排水路脇だった。社会部記者が眉をひそめる。
「遺体の下半身には裂傷があり、唾液などの体液が残されていました。渋谷のDNA型と酷似していたことで逮捕に至ったのです」