5月13日、ロッテの佐々木朗希投手(20)が3・4月度「大樹生命月間MVP賞」を受賞した。初のMVPを受け佐々木は「すごく嬉しい」と喜びのコメントを寄せている。
4月10日のオリックス戦ではNPB史上16人目となる完全試合を達成した佐々木。目覚ましい成長の秘密を報じた「週刊文春」の記事を公開する。(初出:週刊文春 2022年4月28日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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“令和の怪物”の素顔
約3万人の観客が集まったZOZOマリンスタジアム。4月17日、“令和の怪物”は大勢のファンが集まった感想を聞かれると、こんなジョークを飛ばした。
「(人気アニメ「鬼滅の刃」のイベントが行われている)幕張メッセと間違っているんじゃないかなと」
ロッテの佐々木朗希(20)が完全試合を達成したのは、4月10日のオリックス戦。さらに翌週17日の日本ハム戦でも8回をパーフェクトに抑える快投を見せた。
偉業を成し遂げ、笑顔を弾けさせた佐々木。だが、これまでは苦難の道が――。
岩手県陸前高田市出身の佐々木は小3の時に東日本大震災に遭遇。長身でバスケが得意だった父と祖父母を亡くした。津波は生家ばかりでなく、大切にしていた野球道具を呑み込んだ。
震災後、大船渡市に移り住み、地元の大船渡高校に進学。バッテリーを組んだ及川恵介氏が明かす。
「当時から彼は勝つまでは気を抜かないという姿勢だった。ある年の大晦日、練習は休みなのに、呼ばれて一緒に練習したこともあります。野球以外では歌手のあいみょんが好きでしたね」