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マンホール撮影して賞品ゲット? 行政も大助かり…楽しんでお悩み解決 一石二鳥のイベントとは 【静岡発】

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genre : ライフ, ライフスタイル, 社会

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静岡県三島市で「マンホールを探してスマホで撮影する」というイベントが行われ、家族連れなど600人が探検気分を楽しんだ。実はこのイベント、市が抱える切実な悩みから企画されたものだ。それは一体どんな悩みで、そして問題は解決できたのだろうか。

マンホール撮影・投稿でポイント…順位に応じ豪華景品も

身近にあるマンホール。市が抱える悩みとイベントの関係は?

2022年3月に三島市で行われたのは、市民参加型のイベント「マンホール聖戦」。ルールは至って簡単。専用のウェブアプリにログインし、地図上に表示されたマンホールを探して撮影・投稿するだけだ。投稿の際に、安全な状況か選択肢の中から選ぶ。

 

参加者は投稿した数を競い合い、順位に応じて、ウナギの蒲焼など三島市の特産品や、ホテルの宿泊券がもらえる。安全を考慮して、撮影が危険な車道の真ん中にあるマンホールは対象外だ。

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鈴木記者:
私もマンホールを撮影しました。これを投稿すればポイント獲得です

 

市を悩ませる1万3000個のマンホール 点検怠ると思わぬ危険

三島市全域で行われたこのゲーム型のイベント、主催しているは三島市の下水道課だ。アプリは「ホール アース ファウンデーション」という財団が開発し、三島市は自治体単位では全国で3番目となる実施だという。

三島市下水道課によると、市内に設置されたマンホールの数は1万3000個を超える。これだけ多くのマンホールを点検するのは、簡単なことではない。

 

三島市下水道課・根本正俊さん:
年間に全てのマンホールを巡視点検していて、緊急性のあるものは順次交換しています。現在紙ベースで管理していますので、全てのマンホールを確認するのに時間も労力もかかります

三島市によると、マンホールの耐用年数は車道で15年、歩道で30年と言われている。しかし市内のマンホールの5000個以上が高度経済成長期に設置され、耐用年数を超えているという。
一方で、三島市が修理しているマンホールは年間約50個。人口減少による税収の減少と人手不足で、点検作業が追いついていない状態だ。
老朽化の進んだマンホールを放置すると表面がすり減り、車や人がスリップするなどの危険が生じるおそれがある。