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小阪 今なら「ありのままの私を肯定してくれてありがたいな」と思えるんですけど、不安を抱えた当時の精神状態だと受け止められなかった。

 それにマネージャーさんに相談したとしても、解決策を教えてくれるわけじゃないので。結局、自分で打開策を見つけるしかなかったんですが……それがすごく辛くて、追い詰められていましたね。

渋谷や六本木で「私はここで何をやってるんだろう」と…

――ご自身の中だけで抱え込んでしまったと。

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小阪 そうです。不安な気持ちを紛らわせたくて、誘われるがままに友人と一緒に渋谷や六本木とかに遊びにいったり……。

 でも、私はもともとそういう華やかな場所や飲み会はあんまり得意じゃないので、結構無理をしていました。お酒を飲めないので、シラフのまま「私はここで何をやってるんだろう」と思いながら、何となくその場にいて。ウーロン茶だけ飲んで帰るみたいなことをしてましたね。

©️文藝春秋

 本当はもっとやるべきことがあるはずなんだろうけど、当時は何をしたらいいかわからなかったんです。芸能界で頑張りたいという気持ちはあるのに、そのやる気が空回りして、自分を攻撃しているような状態でした。

 だんだん「私は何者なんだろう」って考え込んで、精神的に不安定になって。人間関係にも疲れてしまって、仕事自体を楽しめなくなってしまった。そして、そんな自分の状態に耐えられなくなってしまったんです。

――仕事を休むという選択肢はなかったのでしょうか。

小阪 「ここで休んだら、もう終わりでしょ」と思っていたので。休むくらいなら、潔く引退することにしました。

 でも……芸能界を辞めたら楽になると思っていたのに、そこからが本当の地獄の始まりだったんです。

写真=杉山拓也/文藝春秋