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「沖縄の基地問題は視聴率がこない」と…本土復帰50年「沖縄報道」に“温度差”を感じた件について

2022/05/24

 5月15日、沖縄本土復帰50年を迎えました。インパクトがあった記事はこれ。

『基地問題「視聴率こない」』(朝日新聞5月18日)

 ジャーナリスト田原総一朗氏が司会する「朝まで生テレビ!」は今年35周年を迎えた。1987年の放送開始以来420回の放送のうち、沖縄をテーマにしたことは5回ほどだという。その理由として「残念ながら沖縄の基地問題は視聴率がこないから」と田原氏は答えている。

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田原総一朗 ©文藝春秋

 そもそも番組自体がつまらないから視聴率がこないのでは? という感想はさておき、この記事には「ヤフーニュース」編集部にいた人の証言も載っている。

《ヤフーニュースでは、記事の見出しに「辺野古」と入ると、クリック率がみるみる下がった。一方で「沖縄県民はお酒の締めにステーキを食べる」というやわらかい話題はよく読まれた。》

 沖縄の基地問題は自分ごとに感じられていないと思ったという。

NHKに物申した産経新聞

 その一方、沖縄の基地問題を大きく取り上げすぎだと言っている新聞もあった。産経新聞である。一面コラム「産経抄」はNHK朝ドラ「ちむどんどん」の話から始まって最後にNHKに物申している。

《米軍ヘリの不時着や米軍基地反対デモなどをことさら大きく取り上げる報道姿勢もバランスを欠いていないか。沖縄復帰50年を機に改めて見直してほしいことだ。》(5月16日)

 本土復帰50年の翌日、産経抄はこう書いたのだ。

「NHK」「沖縄」というキーワードで言うと、5月10日の東京新聞で、元NHKプロデューサーが沖縄報道について語っていた。