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ぼーっといつも端っこ…「そこ行かないと!」「あのタイミングで喋らなきゃ!」怒られ続けたデビュー時代

――ご自身のことを「普通」「没個性」と形容されましたが、ユニークな方々が集う芸能界でサバイブするのは大変だったのではないでしょうか。

小野 アコムのCMの前まではオーディションに落ちまくっていました。

 バラエティ番組のレポーターをやっていたときも失敗ばかりで。ロケに行った人はVTR紹介をするので前の席に座るんですが、それ以外の子はひな壇に自由に座るので、みんなサッとテレビに映りやすい、いい場所を取るわけです。

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 でも、ぼーっとしている私はいつも端っこ。マネージャーさんに「そこ行かないと!」とか、「あのタイミングで喋らなきゃ!」と怒られていました。

――デビューは18歳です。学生時代も「普通」だったのでしょうか。

小野 「ザ・日本人」という感じです。出すぎる杭は打たれると思っていたので、みんなと同じようにいい子にしてニコニコしていました。手もかからないから先生もかわいがってくれて。

 でも、今思えば、社会に出たら苦労するタイプですね。人の顔色をうかがうのは上手いけど、自分の意思をはっきり表現できない子でした。

「高校3年生の進路を決める頃になって、保母さんとかも考えたんですが…」

――控えめなタイプの少女がなぜ芸能界を目指したのでしょうか。

小野 中学校くらいのときに見に行ったミュージカルで小さい子たちが堂々と楽しそうに歌ったり演技している姿を見て、「なんてかっこいいんだ……」と大感動して。

 じっと真面目に生きてきたので、「あ、こんなにみんなに合わせて『はい』といわなくて良い世界があるんだ」と思ったんですよね。適性なんてまったく考えず、「こういう世界に行ってみたい!」と思ったのがきっかけです。

写真=佐藤亘/文藝春秋

 でも家族に言っても「向いてないんじゃない?」と言われて、自分でもそう思っていました。

 ただ、高校3年生の進路を決める頃になって保母さんとかも考えたんですが、やっぱり引っかかる自分がいて……。そこで思い切って一回オーディションを受けてダメなら諦めようと思ったんです。

――それで高校生のときに現在の所属事務所であるサンミュージックのオーディションに挑戦して合格したんですね。

小野 あ、じつは落ちたんですよ。