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――え、そうなんですか?

小野 落ちたんですけど、オーディションの受付をやっていたマネージャーさんがなぜか評価してくれて、「あの子はたぶん受かる」と思ったそうなんです。で、合格者リストを見たら見事に私がいない(笑)。

写真=佐藤亘/文藝春秋

 それで上の人に「どうしても気になる子がいるからもう一回面接したい」とかけあってくれて、おかげで「レッスン生」みたいなかたちで残してもらったんです。

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「特技:誰とでも仲よくできること」と「私、おっぱいあるみたいなんでグラビアいけるかもしれません!」

――受付で会った一瞬で小野さんのキラリと光るものを見抜いたんですね。凄腕のマネージャーさんです。

小野 そうやって拾ってもらった恩返しをしたかったのに、本当になかなか芽が……。

 ちょうどその頃、下着屋さんできちんと採寸してもらったブラジャーをはじめて買ったんです。そこで自分の胸の大きさが「E」だったことがわかって嬉しくて仕方なくて。

――プロに測ってもらわないと、自分の正確な胸のサイズって案外わからないですよね。

小野 それまで自分は胸がないと思い込んでいたので、あんまりに嬉しくてマネージャーさんにすぐ電話しました。「私Eカップだったんで、グラビアいけるかもしれません!」と(笑)。

――仕事に結びつけたいということだったんですね。

小野 「頭の片隅に置いておいてもらえますか。私、おっぱい大きいみたいなんで!」とまくしたてたら、マネージャーさんから「ちょっと落ち着いて」と言われました(笑)。

 タレントさんってバレエができたり作詞が得意だったり、みんな本当に才能豊かなんです。でも自分は胸を張れるようなものが何もなくて、「特技:誰とでも仲よくできること」と、小学生みたいな回答をしていました。とにかく自分に自信がなかったんです。

写真=佐藤亘/文藝春秋

 アコムで顔を知ってもらった後も、20代の頃は仕事が少しでも減ると怖くて。日本舞踊にダンス、お芝居のワークショップを休みの日にも詰め込み、何か吸収していないと落ち着かなかったですね。