韓国では実業家としてもてはやされていた
BIGBANGは言わずと知れたK-POP界のスーパースターグループだ。2006年にデビューすると、すぐに頭角を現わし、アジアで絶大な人気となった。
09年には日本でデビューし、あっという間にスターダムを駆け上がった。海外アーティストしては初めて5年連続で東京ドーム(5.5万人収容)でのコンサートを開催し、当時の韓流ブームを牽引した。
2016年には米経済誌『フォーブス』の「最も稼ぐ30歳未満のセレブTOP30」にランクインし、その収益はジャスティン・ビーバーに匹敵するといわれるほどのトップスターだった。世界のスターとなったBTSのメンバーらをはじめ、今もBIGBANGにあこがれてK-POPの門を叩く若者は少なくない。
2017年からはメンバーが兵役により次々と入隊し、グループでの活動は一時休止状態に。その間、最年少だったV.Iはぎりぎりまで入隊せず、クラブやラーメン店などの経営に乗り出した。韓国ではこの頃、V.Iを実業家として「スッツビー」(偉大なるギャツビーとスンリの名をもじったもの)と持て囃した。
V.Iを巡る性接待などの噂は2015年末、「ユリホールディングス」を立ち上げるタイミングで資産家を招待して開いた「ギャツビーパーティ」の後から流れていたといわれる。
事態が動いたのはその4年後の19年2月。2015年に外国人投資家への性接待を匂わせるV.Iと「ユリホールディングス」の元共同代表の携帯でのやりとりが報じられ、「K-POP史上最大のスキャンダル」として連日、この話題一色となった。これが後に「スンリゲート」、あるいはクラブ名から「バーニングサン事件」と呼ばれる事件の始まりだった。