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 たしかに皇嗣になった秋篠宮さまの新居は、33億円もかけて増改築が進められていたし、新居が完成するまでの「御仮寓所」だって、なんと10億円もかけて建てたものだ。

©JMPA

 総面積が1378平方メートルというから、われわれ庶民からすれば、とてつもない大邸宅である。それも東京の一等地にあるのだから、いかにも資産家に見えるが、結論からいうと、秋篠宮家の住まいはすべて国有財産であって、私有財産ではない。

 秋篠宮家が動かせるのは皇族費だけである。秋篠宮家の皇族費は、いわば国から秋篠宮家に払うサラリーのようなものだ。

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余裕がない秋篠宮家の家計

 余談だが、かつて田島宮内庁長官が、孝宮さまの結婚について昭和天皇から持参金らしき金子を尋ねられたらしく、〈只今の所では納采の儀前に二〇万位、御婚儀近きまして三〇万位かと存じます〉と答えている。合計で50万円。1950(昭和25)年頃の50万円は、公務員の給与で比較するとざっと今の2000万円ぐらいだろう。

 もし秋篠宮さまも、同じように眞子さんに持参金を持たせたとしたら、どれくらいだろうか。おそらく高額な金額ではなかったと思われる。

 皇嗣になる前の秋篠宮家の皇族費は年間6710万円だった。皇嗣に就任して1億2810万円にアップした。一見高額のようだが、それほど余裕があるわけではないといわれる。

宮内庁提供

 皇嗣になる前に秋篠宮家で働いていた職員は24人(平成30年度)だった。それが皇嗣になって51人(皇位継承後)に増えているが、これは公的予算からまかなわれているとはいえ、それ以外に雇う運転士や料理人などの私的使用人も同じように増えるから、給料や社会保険料等は皇族費から負担しなければならない。

 また天皇家では接待費や通信費、水道光熱費といったものは国の費用(宮廷費)で支払うが、宮家では公務で使われた費用以外はすべて皇族費から払うことになっている。当然、皇嗣になってこうした私的使用人も増えていることだろう。

 悠仁さまは皇位継承者だから教育費は宮廷費から支払われるものの、眞子さんや佳子さまの教育費は、当然、秋篠宮家の皇族費から負担することになる。

 そんなことを考慮すると、持参金を含めて、秋篠宮家が眞子さんに十分な援助ができるほどの余裕があるとは思えないのである。

 皇室経済法施行法では、天皇が賜与できる金額は1800万円までで、それ以外の皇族は年間160万円以内と決まっている。しかしこれは一般的な場合であって、眞子さんに渡す場合は縛られないとしても、余裕を持って仕送りするのは簡単ではないかもしれない。

 皇族費は自由に使ってもいいとはいえ、われわれのように海外旅行をしたり、気分次第で車を乗り換えるといったふうに使えるお金ではなく、必要な予算が一定額あって、自由にできるお金はそれほど多くないはずである。もちろんそこから仕送りはできなくはないが、それほど潤沢ではないということだ。