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JR有楽町駅に隣接するビルの17階フロアに

 佐々木さんは井上さんに「女性のためのクリニックを丸の内に作ることの必要性」を訴えた。丸の内を従前の姿から現在のにぎやかな街へと変化させてきた1人である井上さんにとっても、女性のためのクリニックは新たな魅力のように感じた。そして、井上さんは佐々木さんの訴えを「丸の内にこそ必要なもの」と引き取ったのだという。

 それから3カ月後、三菱地所が条件に合致する場所として見つけてきた物件が丸の内からほど近いJR有楽町駅に隣接する「有楽町電気ビル」北館の17階フロアだった。ロケーションにまったく問題はなく、佐々木さんらの条件に適うワンフロアーすべてを使える好物件だった。有楽町という立地ながら、窓の外に立ちはだかるビルはなく、一方の窓の外には皇居の緑も望めた。こうして、ようやく最大の懸念とされたクリニックの場所が決まったのだ。

ロビーの窓からは皇居の緑も望める ©文藝春秋/撮影・鈴木七絵
クリニックが入るビルは有楽町駅に隣接している ©️文藝春秋/撮影・鈴木七絵

「子育て世代の女性を守りたい」という女性社員の思いから始まった、女性の、女性による、女性だけの「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」と命名されたクリニックがオープンしたのは、昨年3月のことだ。「クレアージュ東京」の誕生は、単なる女性専用クリニックの誕生ではない。丸の内で働く女性たち、そして日本の女性たちに新たな可能性をもたらすと佐々木さんは確信しているという。

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検査内容、充実コンセプトとも、理想通りの「クレアージュ東京」

クレアージュ東京 レディースドッククリニック ©️文藝春秋/撮影・鈴木七絵
ロビーの様子 ©文藝春秋/撮影・鈴木七絵

「クレアージュ東京では、私たちがこれまで調査してきた中で、必要不可欠だと考えた経膣超音波(エコー)検査がすべてのプランで行われるように医師の指導のもと、実施しました。それにより、子宮頸がんだけではなく、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫などの早期発見ができます。また、それだけでなく、女性に多い甲状腺疾患、膠原病、貧血なども幅広くカバーできるプランも用意しました。そして、『ここに来ればリラックスでき、身も心も解放される場所』というコンセプトの通り、受付はグレージュとピンク色の大理石風のデザイン、待合室は広々としたカフェのような作りにしました」