老婆が「殺される!」と駆け込んできて…
「殺される!」
パジャマ姿の老婆が裸足のまま近くの板金屋に駆け込んできたのは、丹羽が同居を始めて以降の、ある朝のことだった。その場には警察官も駆け付けている。
「丹羽らは、警察に『お婆ちゃんは認知症だ』と説明していました。家の窓に目張りをしたのは、『外が見えるとお婆ちゃんが出歩きたくなるから』だと」(板金屋の女性)
老婆が板金屋に駆け込むことは、その後も何度かあったという。丹羽は本庄市内の商業施設で働いていた時期もあったが、逮捕時は石井とともに無職だった。
「お婆ちゃんと老人男性の2人は数年前、あまり時期を置かず、急に姿を見かけなくなりました。不審死したとか、丹羽らが2人の遺産で生活しているとか、ちょっとした街の噂になりました」(近隣住民)
そして昨年1月、丹羽が世帯主となっていたこの借家に、新たな同居人として加わったのが、柿本と歩夢くんだったのだ。柿本は市内の工場で派遣社員として働き、歩夢くんを自転車で保育園に送り迎えしていたという。
「殺意があったのか、虐待の末の致死なのか。死因や死亡経緯が判明後、3人は再逮捕される見込み。床下に穴を掘り、歩夢くんの死体を埋めたことは3人とも認めている」(前出・記者)
逮捕発表後、市は記者会見で「母子関係は良好で、虐待があったという認識はなかった」と主張したが、ラーメン店の店主はこう語る。
「赤の他人が、何もしていない5歳児を執拗に責め続け、母親はそれを止めることもしない。僕が目の前で見たのは、明らかに児童虐待でした」
4人の歪な同居生活には、まだ底の見えない闇が広がっている。
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