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「10代の女性アスリートが無月経を無視すると…」プロトレーナーの中野ジェームズ修一が教える、生理とトレーニングの“本当の関係”

『子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法』より #1

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 月経の周期、月経中の痛み、月経中やその前後にどの程度の練習ができるかには、個人差があります。痛みなく運動できてしまう選手もいれば、全く体を動かせない選手もいます。 人それぞれだということを、周囲も理解する必要があるでしょう。 

女性アスリートが気をつけるべき鉄欠乏性貧血とは

 鉄欠乏性貧血も女性アスリートが気をつけるべきことの1つです。文字通り、鉄が不足することで起こるもので、陸上の長距離、新体操やフィギュアスケートなど食事制限をしがちな競技の選手が悩まされることが多い疾患です。男性でもなり得るものですが、月経のある女性はより注意が必要です。

 鉄欠乏性貧血になると、息切れ(いつもの練習についていけない)、動悸、頭痛、疲労感(なんとなく疲れている)、倦怠感(なんとなく調子が悪い)、心肺機能の低下、まぶたの裏が白くなる、爪の形が変わる(スプーンネイル)などといった症状があらわれます。

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 だるさを感じて練習ができない、いつもと同じ練習なのにやけに疲れるといったことがあったら、貧血を疑いましょう。

写真はイメージです ©iStock.com

 貧血かどうかは、血液検査でヘモグロビン値を調べることで確認できます。女性は12g/㎗未満、男性は13g/㎗未満であれば貧血状態であり、10g/㎗未満だとかなり酷い状態とされています。貧血だと判明したら、適切な治療を受け、医師の指導のもと食事の改善も行ってください。

 鉄欠乏性貧血の予防のためには、栄養バランスのよい食生活を心がけるのはもちろんのこと、鉄が不足しないよう意識的に摂取しましょう。

 食品に含まれる鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、吸収されやすいのは前者と言われています。ヘム鉄が多いのはレバー(豚・鶏・牛)、牛肉の赤身、カツオ、マグロ、赤貝などで、非ヘム鉄が多いのは納豆、小松菜、枝豆、水菜、厚揚げ、木綿豆腐などがあります。

 苦手な食材や、調理のしやすさなどもあるでしょうから、バランスよく摂取してもらえればと思います。

「10代の女性アスリートが無月経を無視すると…」プロトレーナーの中野ジェームズ修一が教える、生理とトレーニングの“本当の関係”

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