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 でも、この答えはおかしいですよ。夫が亡くなった事実はその日のうちに近畿財務局に伝わって、翌日には当時の楠敏志管財部長が私の家を訪れています。「遺書を見せてほしい」なんて失礼なことを言っていましたが、もちろんお断りしました。でも、夫の死は近畿財務局から本省理財局に報告されたでしょうし、佐川さんは改ざん当時の理財局長だったんですから何も伝わっていないとは思えません。そもそもあの日、国税庁長官をやめることになったのも、夫が亡くなったからじゃないんですか?

(4)説明とお詫びをしてほしい

 佐川さん、私は夫が亡くなった後、あなたに2回お手紙を出しました。届いていますよね? 読んでくれましたか? 手紙を送っても何のお返事もいただいていません。私は夫が亡くなったことの真実が知りたい。改ざんに関係した人たち、佐川さんにもきちんと説明してお詫びをしてほしいんです。みんながそうしてくれたら、裁判を起こす必要もありませんでした。

 夫はあなたの部下だったんです。だから改ざんに関与させられました。今からでも遅くありません。直接会って話をしてください。夫のお墓の前で手を合わせてください。

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元気な頃の、赤城俊夫さんと妻・雅子さんのツーショット(雅子さん提供)

(5)菅官房長官(当時)との会議の謎

 佐川さん、私には不思議なことがあるんです。あなたが改ざんを指示した公文書は森友学園との土地取引に関するものですね。その取引が行われたのは佐川さんが理財局長になる前のことですから、問題があったとしても佐川さんに責任はありません。なのに、どうして改ざんまで行って事実を隠そうとしたんですか?

 改ざんでは安倍昭恵さんの名前がすべて消されています。これは佐川さんの指示ですか? 安倍首相の妻の昭恵さんの名前が文書にあったことで、誰かから何かを指示されたり、暗に求められたりしたことはないんですか?

 一番不思議なのは改ざんが始まる4日前に行われた菅官房長官と佐川さんたちとの会議です。ここで何が話されたんですか?

(6)公務員だから免責は当然か?

 佐川さん、国家公務員が他人に損害を与えても、国が賠償してくれるので、公務員個人は責任を負わないという判例があるそうですね。あなたはその判例を変えない裁判所に守られて責任を問われない。だから尋問もないということになりました。

 でも、そんなの私には到底納得できません。だってあなたが夫にさせたのは公文書の改ざんという不正行為です。とてもまともな公務とは言えません。

 夫は改ざんを告発する「手記」で「刑事罰、懲戒処分を受けるべき者」として次のようにあげています。