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佐川氏に聞きたいこと、伝えたいこと

 法廷で尋問ができないならば、この記事を通じて“尋問”を行おうではないか。ここに被告・佐川宣寿氏の“仮想”尋問を実施する。答えが返ってこなくても尋ねるのは自由だ。

 尋問にあたるのは原告・赤木雅子さん。佐川氏に聞きたいこと、訴えたいことを、雅子さんの言葉として以下に伝える。

(1)改ざんをどのように指示したのか?

 佐川さん、財務省の調査報告書ではあなたが「改ざんの方向性を決定付けた」と書かれていますね。夫、赤木俊夫が死の間際に遺した「手記」では、もっとはっきり「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」と書かれています。でも、具体的な指示の中身は何もわかっていません。それがどのように夫に伝わってきたのかもわかっていないんです。

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 佐川さん、あなたは公文書改ざんが行われたあの時、誰に、いつ、どのような指示をしたのですか? その結果について、いつ、誰から、どのような報告を受けたのですか? あなたの指示がどのようにして夫に伝わっていったのかを知っていますか?

(2)改ざんに抵抗した赤木俊夫さんのことを知っていたか?

 佐川さん、あなたが局長を務めていた本省理財局からの改ざんを指示するメールに対して、夫が直接抗議したメールがあります。

「調書の一部の文言修正を求められている箇所について、以下のように考えております。既に意思決定した調書を修正することに疑問が残ること」

 このメールは、夫が改ざんに関する資料を保管していたいわゆる「赤木ファイル」の中にありました。ほかにも夫は「現場の問題認識として既に決裁済の調書を修正することは問題があり行うべきではないと、本省審理室担当補佐に強く抗議した」と書いています。

 佐川さん、あなたは現場で夫が改ざんに反対・抵抗していることについて、報告を受けていましたか? 受けていたとしたら、どんな対応を指示していましたか? 報告を受けていなかったとしたら、それについて今、どのように責任を感じていますか? あなたは、現場でこんな不正行為を指示され、させられる人がどう思うか、考えなかったのですか?

(3)俊夫さんの死をニュースで知った?

 佐川さん、あなたは理財局長の後、国税庁長官に就任されましたが、夫が亡くなってから2日後に辞任しました。その時、あなたは夫の死について記者の方に質問されて「きょうのニュースで知った」と答えたそうですね。当時の新聞記事を私は切り抜いてとっています。