大手牛丼チェーン「松屋」の従業員有志がパワハラなど労働環境の改善を求める嘆願書を本社に提出していたことが「週刊文春」の取材でわかった。

 6月2日に松屋本社に提出された嘆願書のタイトルは〈松屋の現状について〉。執筆者には現役の管理職をはじめ元社員、アルバイトなど様々な立場の従業員が名を連ねている。〈私たちは松屋を心からよくしたいと考えております〉〈現在の松屋の現場の状況をご存知でしょうか?〉という導入から始まるこの嘆願書はA4用紙で9枚に及び、「パワハラ」「評価制度」「退職する社員に対しての扱い」などの項目で、現場目線から同社の問題点が指摘されている。

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 従業員有志の中心メンバーAさんが明かす。

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「松屋では以前からパワハラなどを指摘する声がありました。そこで私は昨年末から従業員有志を募り、本社に労働環境の改善を求める嘆願書を提出するつもりで準備していたのです」

 嘆願書には次のような内容が綴られている。

〈感謝や慰労の念が感じられない〉

〈(退職する社員は)雑な扱いに変わり労働環境はより厳しくなり後味悪く退職していく人が多い〉

〈意見や提案など受け付ける環境にない風土となっている〉

〈意思決定権が特定の人物に偏っており意見=反抗という捉え方をされる〉

〈後付けによる理屈と正論による職権濫用とも思える圧力で抑え込まれる〉

現場の声は届くのか

 こうした記述は実体験に基づいている。名を連ねた従業員の多くが“パワハラ被害者”でもあるのだ。