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くら寿司の報道を見て「身に覚えがある内容で焦りました」

 嘆願書を準備する中で、松屋の従業員有志の危機感を募らせる出来事があった。小誌による、大手回転寿司チェーン「無添くら寿司」の過酷な労働環境の報道だ。

 小誌は今年4月28日号でくら寿司の現役店長が上司のパワハラを苦に焼身自殺していたことを報道。そこから6号にわたり、社会保険の加入拒否や有給休暇の取得拒絶など同社の従業員らの悲痛な告発を報じてきた。これらの内容は、Aさんたち松屋従業員にとって他人事ではなかった。

「身に覚えがある内容で焦りました。このままでは松屋でもくら寿司と同じことが起きる、と」(Aさん)

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取材に応じる松屋の従業員有志メンバー

 ところが――。嘆願書提出に向けて最終調整を行っている最中の5月26日、松屋の内部を「若手社員が死亡した」という衝撃的な情報が駆け巡った。

 Aさんが肩を落として語る。

「提出前に社員の死という悲劇が起きた」

 訃報を受けた従業員有志は6月2日、急いで嘆願書を本社に提出した。

 松屋本社に社員の死について聞くと、〈事実です〉と認めた上で、〈ご遺族からは、プライベートに関することが要因であると伺っており、弊社からの回答は控えさせていただきます。ご遺族感情に配慮していただけますようお願い申し上げます〉。そして、従業員有志による嘆願書について見解を求めると、〈弊社では、パワハラの防止や労務環境の改善に努めております。具体的な申し出があれば通報窓口で対応しております〉と回答した。

瓦葺利夫会長(左)と瓦葺一利社長(右、HPより)

 社員1580名、パート・アルバイト2万1094名を抱え、「吉野家」「すき家」と共に「牛丼御三家」と言われる松屋で今、何が起きているのか。

 6月8日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および6月9日(木)発売の「週刊文春」では、松屋の従業員有志が嘆願書を書くに至った理由と背景、執筆メンバーが実際に受けた“パワハラ”の詳しい内容、社員の死について本社と交わしたやり取りなどを報じている。

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