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「デートだね」次女が幼稚園に入り、久しぶりに夫婦2人で外を歩いた

2022/06/16

 今年もやってくる、6月17日は私たち夫婦の結婚記念日である。

 毎年「記念日だから」と、ここぞとばかりにその時に欲しいものを夫につぶやくのだが、今年は夫が買いたいものがあるらしい。何を買うのかは私には分からないが、どうやら結婚10年目に入る記念らしく、心なしかホクホクと楽しそうに見える。

この時期は順位戦で忙しくなりがち

 我が家では、節目にある大きめなイベントは夫がこだわりを見せることが多い。

 結婚式場であったり、婚約指輪だったり、住む家だったり。

「これが良い!」というものがあまりない私と違って、夫には持っているビジョンや憧れがあったらしく、ほとんどすべてをお任せした。

 大きなものになればなるほど、私にはこだわりがなくて、家に関しては引っ越しするまでどんな家なのか知らなかった。結婚式も、たぶん私よりも夫の方が全力で楽しんでいたと思う。

 私のような者が2人いても、物事は何も決まらないので、夫が決めてくれるのはありがたい。代わりと言ったら小さなことになるが、普段の誕生日や、季節のイベントなどは私が仕切っているので、そこで補っているということにしよう。

 順位戦が開幕するこの時期は忙しくなりがちで、その中でも今年の6月は特に日程が埋まっている。

まだピカピカだったころの結婚指輪 ©上田初美

小さな命を背負っての二人三脚

 お祝いの食事に行くのは難しいかな、と言うと、「行く」と当たり前の顔をして言う。

 夫が断言をする時は、かなりの割合で「これをしたい!」という意志がある。今年はどうしても食事に行きたいらしい。

 勢いに押されて、対局が終わった夜に行くことを了承した。千日手の指し直しを2回くらいやったら、夫ひとりで娘2人を連れてオシャレなお店でディナーをすることになるのだが、まぁそれはそれで楽しそうだからいいだろう。

 10年という数字が見える中で私たちの何が変わったかというと、一番大きいのは、やはり子どもが生まれたことだ。

 お互いがそれぞれ好きなことをしていても生活ができていたのが、まさに一変した。

 完全なる共働きだという前提もあるが、親である私たちが同じものを見て、共有しなければ上手く歯車は回らない。小学校の運動会でやったきりの二人三脚を、大人になってから、小さな命を背負った状態でやることになるとは、あの頃には想像もつかなかった。