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相次ぐカンニングを防ぐことができない理由

 捜査関係者が指摘する。

「王容疑者の自宅から、長さ約1センチほどのワイヤレスイヤホンが見つかった。スマホと連動させたイヤホンを耳に隠し入れていた王容疑者に、李容疑者が電話などで答えを教えていたのだろう。李容疑者は『(王容疑者が)受かる実力は無いと思っていた』などと供述している」

警視庁が押収した小型のイヤホン(ANN NEWSより)

 なぜ、受験生の相次ぐカンニングを防ぐことができないのか。

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 運転免許試験での集団カンニング事件が発生した警視庁では、試験場に携帯電話がつながらなくなる電波遮断装置を2013年に導入。ただ、装置は1台100万円以上かかるうえに電波を遮断するためには免許が必要だ。教室を一時的な試験会場として使う大学入試で導入するには、100億円以上がかかるとされる。

 大学入試センターも一時は遮断装置の導入を検討。だが10日発表のカンニング対策では、スマホを机に出させてイヤホンは禁じるなどの策を講じただけで、遮断装置の導入は見送られた。

 しばらくは、ハイテク受験生vs.アナログ試験官のイタチごっこが続きそうだ。