「うちの営業職員が、お客様から数千万円に及ぶ大金を横領しています。昨年から社内の一部で噂になっていましたが、会社は一切公表していません。トカゲの尻尾切りで当該職員を辞めさせ、何事もなかったような態度でよいのでしょうか」
「週刊文春」にこんな告発を寄せたのは、明治安田生命保険に勤めるA氏だ。一体何が起きているのか。
「横領に手を染めたのは東京・中野営業所に勤務する女性営業職員です。社内で“功労LC”と呼称されている65歳以上の大ベテラン。被害者は当該職員と30年来の付き合いのあるお客様で計3世帯が被害に遭ったそうです」(同前)
今年5月下旬になって、「社外厳秘」と書かれた「重大不祥事故ニュース」が営業職員向けに送られた。そこには横領の手口としてこう記されている。
(1)(職員が)お客様名義の口座を所持。契約者貸付金をその口座に送金し着服。
(2)架空商品を勧誘し、金銭を着服。
「契約者貸付金とは、掛け捨てではない保険の契約者が、解約返戻金を担保に保険会社から融資を受けるお金のこと。営業職員がお客様名義の通帳やキャッシュカードを預かることなど厳禁なのですが、どうやら預かった上で、自分が管理するその口座に貸付金を流し込んでいた。おまけに架空の商品まで売っていたようです」(同前)