3月13日、探偵会社社長が依頼主の女性医師から不倫問題の相談を受け、その情報を悪用して性行為を強要したり、現金3000万円を奪った事件で、強制性交等罪や恐喝罪に問われた長坂健太被告(59)に対し、岐阜地裁は懲役7年を言い渡した。
「女のお前が男のオレにできることは一つ」「オレの奴隷になれ」
判決などによると、長坂被告は2022年3月13日、依頼主の女性医師のA子さん(40代)の弱みにつけ込み、「女のお前が男のオレにできることは一つしかないだろう。オレの奴隷になれ。決裂したら動くからな」などと言って、愛知県豊橋市内のラブホテルに連れ込み、口腔性交や性交をしたという。
また、「ご主人様に忠義を尽くすのは当然のことだ。全財産を差し出すのは当たり前だ」などと言って、同年5月27日に岐阜市内のA子さんの自宅マンション前の駐車場で現金3000万円を受け取ったというものだ。
長坂被告は初公判の罪状認否で、「現金3000万円を受け取ったのは事実だが、脅すような発言は一切していない。豊橋市内のラブホテルに行ったのは事実だが、口腔性交や性交はしていない。別の日にセックスしたことはあるが、合意の上だった」などと述べた。
長坂被告の会社のホームページでは自身のことを次のように紹介していた。
《1965年生まれ、東京都出身。特派記者として芸能関係のスクープを中心に、経済、政治、事件など幅広いジャンルで13年間活躍。その後独立し株式会社メティスを設立。新しい形の探偵像を模索し、新進気鋭の探偵社である探偵BARアンサーを開始。2万人以上の相談にのり、調査・工作サービスで解決に導いてきた恋愛問題の専門家として現在に至る》
親身に不倫の相談に乗って信頼させて…
A子さんが長坂被告の会社のホームページを見て、接触したのは2022年2月のことだ。その前にもA子さんは別の探偵会社と契約し、不倫相手の身辺調査や別れさせ工作などを依頼していたが、6年かかっても大した成果を上げられず、1000万円以上支払っただけで終わった。その点、長坂被告の会社は無料相談でもきちんと話を聞いてくれて、安心感や信頼感を持ったという。
A子さんが悩んでいたのは同じ職場の同僚でもある男性医師のB氏との不倫関係だった。2015年に交際が始まり、「妻とは別れて迎えに行くから待っていて欲しい」と言われ、関係を続けていたが、A子さん以外にも複数の交際相手がいて、それがいずれも職場の関係者であることが分かって、不信感を持ったという。