よく買うのは「500円のネルシャツ」
ヒロシ ただ、中古のキャンプ道具の商品の傷や欠陥を見抜くことは、始めたばかりの人には無理ですよね。たとえば、中古テントを買ったら、フライシートの裏の縫い目に貼ってあるシームテープといわれる部分が加水分解で剝がれている、といったこともあるようです。こういうのは自分である程度使うようにならないと気づきません。
僕がリサイクルショップで買うのは、キャンプのときに着るネルシャツですよ。キャンプ番組とかで僕が着ているのも、500円くらいで買ったものばかりです。
――でも、ネルシャツはオタクコーデの代表といわれていますから……。できたらノースフェイスのダウンとかで過ごしたいです。
ヒロシ キャンプ場に何万円もするダウンジャケット着ていったら、後悔しますよ。焚き火がしたいんですよね? 焚き火すると火の粉が飛んでくるんですけど、ダウンジャケットは、小さい火の粉がついただけで、そこに穴が空きますから。着ていきたい気持ちはわかりますけど、焚き火するなら、やめたほうがいいです。
その点、ネルシャツは火の粉がついた程度なら穴は空かないですし、穴が空いても僕のは500円ですからね。
――リサイクルショップ以外ではどういうところで買ったりしているんですか?
ヒロシ あとは、仕事で海外に行ったとき、僕は地元の蚤の市に足を運びます。その国でしか使っていない食器や調理器具が売っているんですよ。そういうのを見て、「これ、次に行くキャンプに導入したら、面白そうだな」と想像しながら、買うんです。あと、僕が使っているアルミ製のマッコリカップは、韓国の金物屋で買ってきたものです。地元の人しか行かないようなお店に行くのが好きなんです。
フリーマーケットでも、工具や革製品など、キャンプに使えるものがあるかもしれませんね。
――ペグ打ちに使うハンマーなら、ボロ市やガラクタ市で掘り出し物があるかもしれません。
ヒロシ それは一点ものですね。買ったものじゃないけど、僕が使っているエビ鉈(先端に刃をガードする部分がついた、枝打ちに便利な鉈)は、(ウエストランドの)太ちゃんのお爺さんが長年使っていたものを譲り受けたものです。他人によって使い古されているのをさらに僕が使い込んで、自分の道具にしていく。それって、新品じゃできない楽しみですよね。のこぎりやナイフを持っていそうな親戚がいたら、それをもらって使うのも面白いと思います。