「食べログ」が、チェーン店であることを理由に不当に評価を下げ、売上に影響を及ぼしたとして、韓国料理チェーン「KollaBo」の運営会社・韓流村が食べログの運営会社・カカクコムを訴えた裁判。東京地裁は6月16日、原告側の主張を認め、カカクコムに3840万円の賠償を命じた。
食べログの評点方法を「ブラックボックスだ」と批判した原告側。一体何が起きていたのか。公正取引委員会の“異例の意見書”の存在をスクープした「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春」 2021年10月28日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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「食べログにおいてアルゴリズムの変更で評点が急落したのは、飲食店の公正な競争に悪影響を及ぼし、独占禁止法に違反する」として、韓国料理チェーン「KollaBo」の運営会社・韓流村が食べログの運営会社・カカクコムを訴えている裁判で、公正取引委員会が異例の意見書を出していたことが「週刊文春」の取材でわかった。
食べログの点数が急落したのは2019年5月21日のこと。韓流村の任和彬(イムファビン)社長が言う。
カカクコムはアルゴリズムを変更したことを認める
「悪い口コミが増えたわけでもないのに、当社の店舗では、平均で0・2点、最大で0・45点も急に点数が下がったのです。他にも焼肉トラジ、一蘭、天一なども下がっていました。共通するのはみなチェーン店だということです。点数が下がったことで、当社の売上は月平均で約2500万円も落ち込みました」
そこで任社長は2020年5月、点数を下げる“チェーン店ディスカウント”で損害を負ったとして、訴訟に踏み切った。任社長が語る。
「カカクコム側はアルゴリズムを変更したことは認めたものの、『公平公正にやっている』と言うばかり。また、ぐるなびなどの競合他社も存在するから優越的地位にないと主張。最大の争点である点数については、『非会員など食べログと取引をしていない店舗にも用いられる指標で、韓流村との取引には当たらない』、だから不公正な取引方法を行った事業者を処罰する独禁法違反にはならないと、言い続けたのです」