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セダン部門トップはなんと「20年前の3倍」

 カテゴリ別に見た場合、とくに値上がり傾向が顕著だったのがセダンであり、平均して約1.7倍の価格上昇が見られた。

【1位】ホンダ・アコード 155.3万円→465万円(2002年比:299%)

北米市場に照準を定めサイズアップし、300万円以上の値上がりを見せたアコード。20年前と比べ、全長は250mm以上拡大している

 セダンのなかでも群を抜いているのが、「ほぼ3倍」の価格となったホンダ・アコードである。2000年代に入り国内市場の販売が振るわなくなり、一方北米を中心に世界的な販売は好調であったことから、北米市場をメインターゲットに据え、大幅なサイズアップが図られてきた。

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 結果として、以前とはまったく異なる車となり、今では日本市場が「おまけ」のような扱いになっている。現行モデルは北米で2017年の発売だが、日本導入は2020年。日本仕様はハイブリッドの単一グレードのみと、かなり限定的な扱いだ。

【2位】ホンダ・シビック 134.8万円→319万円(2002年比:237%)

シビックは20年前に比べて倍以上の価格設定に。大衆車からアッパーミドルクラスに成り上がった

 シビックも、アコードと同様「国内市場の販売不振により北米市場に照準を合わせた結果、クラスが上がってしまった」車である。結果として価格は20年前の2.4倍近くにも膨れ上がり、シビック(市民)の名前に見合わない車になってしまった。

 今年中にハイブリッドモデルの追加が予定されており、平均購入価格はさらに上がるだろう。実質的なボリュームゾーンは400万円前後と考えると、まさに20年前のクラウン(295万円~)と同等の価格帯である。

【3位】日産・スカイライン 250万円→435.4万円(2002年比:174%)

スカイラインは上級路線にシフトし、競合車種も「マークⅡ(マークX)」から「クラウン」に変化

 アッパーミドルクラスで長らく「走り」を売りとしてきたスカイラインだが、近年ではセダンの販売不振により、メーカー内での位置づけに変化が見られる。競合車種であったマークXの生産終了からも見て取れるように、このクラスの車種は2000年代以降、常に販売に苦しんできた。

 上位車種であるフーガも売上が伸びず、こちらは2009年のモデルチェンジを最後に、このまま生産終了が予定されている。スカイラインを高級路線にシフトし、実質的にフーガと統合するような形である。

【最優秀賞】トヨタ・プリウス 218万円→259.7万円(2002年比:119%)

上昇幅を約40万円に抑えつつ、燃費性能を着実に向上させたプリウス

 値上がり傾向の顕著なセダン部門のなかで、「価格の優等生」ぶりを発揮しているのがプリウスであり、2002年比の価格は120%以下に留まる。当時と比べてハイブリッド技術が普及し、相対的なコストダウンが可能になったことが大きいのだろう。

 ちなみに、当時の初代プリウスと現行モデルを燃費で比較した場合、カタログ値で約30%の性能向上が見られる。パフォーマンスに見合った価格上昇だといえそうだ。