昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/06/26

――ボッタクリにあった、という人からの相談も?

早川 ありますよ。必要そうな時には、国民生活センターなど、被害報告の連絡先をお伝えします。お客様を守るための情報提供は、大事にしたいと思っています。だって、害虫で被害にあって、さらに人間から被害にあったら、二重の被害に遭うことになってしまいますからね。

悪質業者の使う手口とは?

――悪質業者が使う手口のセオリーはあるのでしょうか。

早川 悪質業者は、高額な料金でも、いかにそれが妥当だと思わせるかというシナリオを作っています。もっともらしい事例をあげながら、「今やらなければ大変なことになりますよ」というように、強迫観念的な感じで焦らせるんです。

――困っている心理につけ込む。

「悪質業者」の実態を語る想和ホールディングスの早川佳宏氏 ©吉河未布

早川 専門的な用語を連発して、「放置しておけば建て替えなきゃいけなくなる、そうなれば何千万円もかかりますよ」とかね。「最近は全国的に地震が多発していますよね? 次に地震があったら生き埋めになるかもしれませんよ、家族の命守れませんよ」とか。時事的、社会的な要素を絡めて、説得するんです。

 その際、お客様に考える時間を与えないのも特徴です。確認されたり、適正な相場を調べられたりする前に、立て続けにその必要性、緊急性をアピールして不安を煽って煽って、その場で契約させてしまう。お客様は冷静な判断ができないまま、相手のペースに乗せられてサインをしてしまうんです。

 彼らにとっては、実際に契約できる人は10人のうち1人でもいい。1人でも高額な料金を騙しとれば、採算がとれるわけですから。

――悪質業者は摘発されないのでしょうか。

早川 もちろん、詐欺で摘発されることはあります。でも害虫がいないのに「いる」と騙してお金を受け取ったら詐欺ですが、実際に行った作業に対して「高い」ということになると、民事の問題。それで裁判を起こすのも面倒だし……というところで、実際には泣き寝入りするケースが多く、そこが付け入る隙になってしまいます。

z