球界最年長選手、中日の福留孝介(45)が6月13日に2軍落ちした。プロ24年目の今季は23打数1安打の打率4分3厘という極度の不振で、当然の措置ではあった。
一方、2軍降格を予知していたかのように、元ヤクルトの宮本慎也氏(51)が同10日に収録したというYouTubeチャンネル『野球いっかん!』で注目発言を行った。ちょうど福留が出場選手登録を外れた13日に公開した動画では「福留は……孝介は……後輩はね、今年結果が出なかったら引退ですよ。年齢とかも考えると」と慎重ながら明快に言い切った。
鉄の結束を誇るPL学園高の先輩が後輩に対し、異例の引退勧告。その内幕を探ると――。
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遅きに失した2軍降格
2人と同じPL出身の立浪和義監督(52)が、中日で現役時代を共にもした福留に降格を通達したのは、交流戦最終日の6月12日だった。
「本人もきつかったと思う。(代打で)大事なところで使っていた。(判断の目安は)交流戦までと思っていた」
苦汁の決断だったことを言外ににじませた。チーム関係者が失笑とともに振り返る。
「よくここまで(2軍落ちの結論を)引っ張ったなという感じですよ。PL同士でなければ、交流戦前にとっくに2軍に行っていてもおかしくなかった。京田(陽太)なんかは、守備でミスした試合中に即、横浜から名古屋に強制送還ですからね」
「代打の切り札」としての期待に応えられず
実際、宮本氏もYouTubeでは「監督がある程度、思う存分やらせてあげたい、情の部分もあると思う」と立浪監督の福留への“特別扱い”を認めている。遅きに失した2軍降格だった。
福留は日米通算2450安打、日本球界だけでも1952安打の、まさに球史に残るスラッガーだ。昨季から、プロ入りした球団の中日に復帰しているものの力の衰えは隠せず、今季は代打の切り札としての期待に応えられていなかった。1割にも満たない低打率に、宮本氏もYouTubeで「宮本さん、敵チームならガンガンいけよって指示になりますか?」との問いに「はい、なります」と答えるしかないほどだ。